産業用ロボットは今や自動車だけでなく、食品工場など幅広い分野で拡大が続く(撮影:梅谷秀司)

生産設備に対する投資意欲が止まらない。

1月11日、都内で開催された日本工作機械工業会(日工会)の新年賀詞交歓会は、例年以上の熱気に包まれた。それもそのはず、2017年における日工会加盟企業の受注額(速報値)が1兆6455億円(前年比31%増)となり、2007年の1兆5899億円を超え、10年ぶりに過去最高額を記録したからだ。

工作機械は、金属部品などの加工機械で、ものづくりに不可欠。生産が活発になれば需要が高まるため、工作機械受注額は「景気の先行指標」といわれる。業界は今、異様な盛り上がりを見せている。

中国への輸出が牽引役

自動車業界からの注文が堅調なのに加え、半導体やスマートフォン関連の引き合いも強いことが好調の要因だ。地域別に見ると、特に中国への輸出が牽引役だ。

日工会の飯村幸生会長(東芝機械会長)が今年の受注高の見通しとして「1兆7000億円」と、昨年をさらに上回る数字を発表すると、会場ではどよめきが起こった。「世界各国で設備投資が拡大している。自動車の開発案件も、エンジン系ばかりだったところに電気自動車(EV)も加わってきた。この先2年くらいは堅調に進むと見ている」(飯村会長)。

ただ、殺到する受注に対して生産が追いつかない現状もある。工作機械のドリルの位置決めなどに使われるリニアガイドやボールねじといった主要部品の供給不足もあり、納品までに時間がかかっている。昨年12月の受注高が82億円と、前年同期比で2倍になった旋盤大手のツガミは、「納期の後ろ倒しを見越した、前倒し受注が発生しているようだ」と見る。

ロボットは1兆円台へ

設備投資の勢いは、ロボットにも波及している。


日本ロボット工業会は、2018年の産業用ロボットの生産額見通しを1兆円とした。ここ数年7000億円前後だったが、昨年は約3割増の9000億円に到達。今年は初の大台突破を目指す。一方、国際ロボット連盟は2018年まで世界の市場が年率15%で成長すると見込んでおり、「1兆円でも控えめな数字」(業界関係者)という声も上がる。

ロボットや産業機械を手掛ける不二越は1月11日、2017年11月期の本決算を発表。ロボット売上高は前期比1.5倍の341億円で着地。今期計画は11.2%増の380億円で、2期連続の2ケタ成長を見込む。

産業用ロボットは従来、自動車の生産ラインで活用されてきたが、人件費の高騰や人手不足を背景に、電子部品の組み立てや食品調理などの現場でも、人力だった作業をロボットに置き換える動きが広がった。


当記事は「週刊東洋経済」1月27日号 <1月22日発売>からの転載記事です

ロボット大手、安川電機の小笠原浩社長は、「中国を中心に、自動車以外の幅広い産業においても工場の完全自動化の需要が大きい」と話す。現地では競争力を確保するため最新機種を求める顧客が多く、日本勢の優位性もあるという。

各国で製造業の生産指数も上がっている。機械業界への追い風はまだやみそうにない。