17年の春季キャンプを打ち上げ、長野(手前)を中心に手締めをする巨人ナイン=那覇(C)KYODO NEWS IMAGES

写真拡大

◆ 活気がなかった昨季のキャンプ、結果4位

 巨人は20日、2月1日から始まる春季キャンプのメンバー振り分けを発表した。一軍スタートはエースの菅野智之投手ら35人。二軍は復活を目指す沢村拓一投手ら29人で、三軍は故障で出遅れたドラフト1位の鍬原拓也投手ら、25人でスタートする。

 一軍メンバーにはドラ2捕手の岸田行倫ら新人3名に加え、育成選手の成瀬功亮と松原聖弥も抜擢された。成瀬と松原は、昨オフに参加したアジア・ウィンターリーグでも活躍。その他にも、レギュラー獲りが期待されている吉川尚輝や岡本和真など、多くの若手が一軍の舞台で凌ぎを削る。

 昨季は球団ワースト記録の13連敗もあり、11年ぶりにBクラスへ転落した巨人。思えば春季キャンプの時点から「声が出ていない」「活気がない」などの声が聞かれ、実際にシーズン結果は4位。不安は的中した。

 筆者も沖縄二次キャンプを視察する機会があったが、確かに活気は感じられず、淡々と練習する姿が印象的だった。同じ時期に広島の沖縄キャンプにも出向いたが、こちらは選手同士がバチバチ。ベテランの新井貴浩に加え、WBC参加の田中広輔、菊池涼介、鈴木誠也も沖縄キャンプには帯同していなかったが、一軍生き残りをかけた堂林翔太や下水流昂、当時は育成選手だったバティスタ、メヒアも必死にアピールし、両外国人はその後のシーズンで支配下契約をつかみ取った。

 広島キャンプ視察中にこんな出来事があった。レギュラー獲りを目指していた野間峻祥が、打撃練習中に右脇腹の違和感を訴え途中離脱。緒方孝市監督は野間に対し「開幕は難しくなった。毎年こうやって外れていくようでは期待は薄れていく」と厳しい言葉を並べた。野間離脱後の実戦では、主力外野手の丸佳浩や松山竜平だけではなく、堂林や下水流、さらに岩本貴裕、土生翔平らがバットでアピール。改めて広島の強さと競争意識の高さを垣間見た。

 昨シーズン上位に食い込んだ阪神とDeNAも、若手が切磋琢磨しながらチーム力を高めている。どこか大人しく映る巨人の選手たちにも、もっとギラギラした姿勢を求めたい。その空気を作り出すのは、首脳陣の役目でもある。今年は2月1日から「巨人は変わった」と感じさせる雰囲気を醸し出してほしい。

 巨人の一軍キャンプメンバーは下記の通り。

●投手(17名)

菅野智之、マシソン、吉川光夫、野上亮磨、畠世周、西村健太朗、田原誠次、ヤングマン、谷岡竜平、中川皓太、山口俊、カミネロ、池田駿、戸根千明、篠原慎平、田口麗斗、成瀬功亮

●捕手(3名)

小林誠司、岸田行倫、田中貴也

●内野手(9名)

寺内崇幸、吉川尚輝、坂本勇人、阿部慎之助、岡本和真、マギー、山本泰寛、若林晃弘、田中俊太

●外野手(6名)

陽岱鋼、ゲレーロ、長野久義、橋本到、重信慎之介、松原聖弥