これだけ手も足も出ないと、悔しさを通り越し、もはや清々しさすら感じる大敗である。

 中国で開催されているアジアU-23選手権は準々決勝が行なわれ、日本はウズベキスタンに0-4で敗れた。23歳以下のアジア王者を決める大会に、登録メンバー全員が21歳以下のU-21代表で臨みながら、グループリーグを3戦全勝で勝ち上がってきた日本だったが、最後は力の差を見せつけられての終戦となった。


ウズベキスタンに0-4で完敗した森保ジャパン

「ウズベキスタンと我々日本代表の現時点での力の差が出た結果になった」

 森保一監督も開口一番、完敗を認めるしかなかった。報道陣からの、力を出し切れなかったのではないか、との問いにも「そうかもしれないが、個の局面でも、チーム力としても、(実力差は)この結果どおりだったと思う」と潔(いさぎよ)かった。

 率直に言って、試合開始からほどなく、両者の力の差ははっきりとピッチ上に浮かび上がった。

 お互いが様子をうかがうようにジャブを繰り出し合っているように見えるのだが、こちらのパンチは完全に防がれている(あるいは、打ち損じている)のに対し、相手のパンチはガードの上からでも確実に効いている。一見互角の攻防も、ジワジワと後退させられていたのは日本だった。

 ウズベキスタンの選手たちは、荒れたピッチにもかかわらず、速いパスを正確につなぎ、中盤でのボールの奪い合いでは、力強く体を寄せてきた。あらゆる意味でのスピード、パワーにおいて、ウズベキスタンは日本を上回っていた。

 なかでも、とりわけ彼我(ひが)の差を突きつけられたのは、相手の状況や試合の流れを見極める能力である。森保監督が語る。

「(ウズベキスタンは)最初はあまりプレッシャーをかけてこようとしていなかったと思うが、我々のビルドアップに対して少しプレッシャーをかけて、そこで日本が少し慌てたなと思ったその流れからは、プレッシャーをかけ続けてきた。ウズベキスタンの選手たちは、試合の流れをつかむ能力を持っている。そこは見習わなければいけない」

 CKの流れから許した先制点はともかく、その後のわずか10分足らずの間に失った2、3点目は、いずれも日本がマイボールを自陣で奪われてのものだった。そもそも実力差があるうえに、試合運びの巧拙(こうせつ)にまで差があっては、大敗もやむを得なかった。

 3バックの中央を任されたDFの立田悠悟(清水エスパルス)曰く、「相手の速さや強さが上回って、自分たちが後手に回ってしまったのが一番の敗因。戦術どうこうというよりは、個人のところで負けたかなと思う」。また、DF古賀太陽(柏レイソル)曰く、「球際のところや、一つひとつのスピードが自分たちより相手のほうが上だった。すべてに関して上回られたことは悔しいし、情けないという気持ちが強い」。

 負けた選手たちが強がりひとつ言うことのできない、まさにぐうの音も出ない完敗だった。

 とはいえ、である。

 両者の力の差を考えれば、結果は受け入れざるを得ないだろう。だが、目の前に突きつけられた実力差に対し、あまりにも無抵抗なまま敗れ去ったのではないか。結果よりも、そのことが残念であり、またもったいなくもあった。DF原輝綺(はら・てるき/アルビレックス新潟)が悔しそうに語る。

「今までの相手とは全然違うなというのは、(試合をやりながら)もちろん感じていたが、それでもやらなくちゃいけないし、こういう試合もしっかりゼロに抑えなきゃいけない。4失点は論外」

 グループリーグにしても3連勝したとはいえ、決して楽に勝ってきたわけではない。厳しい状況を耐えて失点を防ぎ、3つの白星を並べてきたはずだ。それらの相手よりウズベキスタンが数段上手だったにしても、結果はともかく、もっと我慢強く戦い、どこかで勝機を見出そうとする戦いを見せてほしかった。

 苦しい状況を耐えることで、自分たちの経験値やレベルアップにつなげてほしいと考えていた森保監督も、「そこは大いに改善しなければいけない」と口にし、こう語る。

「何らかの形で1失点してしまうことは、サッカーの流れではありえること。そこからズルズルいかないよう、(悪い流れを)断ち切って、耐えながらまた自分たちの流れに持っていく。自分たちの流れがくるまで待つ。勝機をもっとつかめるようにやっていく。そういうところはメンタル的にもそうだし、個人戦術、チーム戦術も含めて上げていかなければいけない」

 今大会の日本の登録メンバーは、昨年のU-20W杯に出場した、この世代の主力となりうる選手を多く欠いていた。立田は言う。

「今回、(同じDFの)中山(雄太。柏レイソル)選手や冨安(健洋。シント=トロイデンVV/ベルギー)選手が選ばれていないなかで、自分が出させてもらってこういう結果に終わったので、アピールという部分では難しくなってしまったのは感じている。日本代表チームとしてのDFラインのプレーではなかったと感じているし、反省する部分が多い」

 アジアレベルの大会で、内容でもスコアでも、これほど圧倒的な実力差を見せつけられての大敗は、ショッキングな結果と言ってもいいのかもしれない。

 だが、言い換えれば、彼らがこの屈辱的なまでに力の差を見せつけられた敗戦を生かし、自身の成長につなげることが、この世代全体を底上げすることにつながる。森保監督も敗戦後、選手たちに次のような話をしたという。

「我々がステップアップするために、この悔しい思いは絶対忘れないように、次からの活動につなげていこう。結果はポジティブなものとは言えなかったが、この痛い思いをしたこと、悔しい思いをしたことが後々レベルアップにつながって、ポジティブに振り返れるようにやっていこう」

 東京五輪世代の主力を追う立場の彼らがこの経験をどう生かすのか。それ次第で大敗の意味も大きく変わるはずである。

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