50回超すセクハラを受けた女性社長「最も多いのは壁ドン」その対処法は

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「今まで50ぐらいセクハラを受けました。今では私なりの防止対策を持っています」と、打ち明けてくれたのは安室奈美恵似のスレンダーな加藤恵美さん(仮名・31歳)。

 昨今、社会問題になっているセクハラですが、1人で50回ものセクハラを受けるだなんて大変ですよね。実際、どんなセクハラを受けたのか、それぞれどう対処したのか、彼女に聞いてみましょう。きっと参考になるはずです。

◆もっとも多かったセクハラ事例

「私は26歳の時に起業しました。それまで一般企業の営業だったんですけど、スーパーフードなどの健康食品に惚れ込んじゃって。前職から引き継いだ人材研修とセットで動いています」

 そんな加藤さんがこれまでもっとも多かったセクハラと語るのが「壁ドン」です。

「一緒に歩いているときに突然、壁ドンでキスを迫ってくるパターンが多いですね。この場合は『今日、お酒飲んでいるから、こんなところで初めてのキスなんて、やです〜』と、まず断ります。

 それから『あなたとはもっとちゃんとしたところで始めたい』と、関係を匂わせて『さ、今日は帰りましょ』とぐいぐい駅まで引っ張っていくのが効果的です」

◆「時間泥棒!」と言いたくなるあの行為には?

 次に多いのが「仕事の話をしたい」と呼び出されて、お茶や食事の席でプライベートのことを深く詮索されること。セクハラかどうか微妙なラインですが、女性にとって良い気がしないのは確かです。

「思わず『この、時間泥棒!』とでも言いたくなるようなこの行為。ですが、そんなときは佇(たたず)まいを直して、かしこまった態度で『仕事の話って何ですか?』と聞いてみてください。すると、『あなたがどんな仕事をしてるか聞いてみたかった』と返ってくることが多いので、徐々にビジネストークに移っていくといいです」

◆女子トイレについてきた経営者

 さらに「男性経営者に意外と多い」と加藤さんが語るのが、なんと女子トイレについてくるパターン。

「経営者同士の会食で、お互いにお酒が入ったりすると、私がトイレに行くときにまでついてくる。さらに女子トイレに誰もいないと、個室まで無理やり入ってくるオジサンです。このときは『キャー、チカン!』と、頑張って叫んでください。ほとんどすぐ逃げちゃいます」

◆若い彼女の尊敬を裏切った仕事のパートナー

 加藤さんが一番「参った!」というセクハラが、起業したばかりの26歳の頃。広告会社の40代前半の社長と、共同経営者として起業家をサポートするビジネスを手掛けたときのことでした。

“働き方プロジェクト”を推進し、Wワークや独立経営を助ける仕事で、Web制作ビジネス展開の土台もでき、ワクワク連続。スタートも決まると、2人で祝杯を挙げたそうです。

「レストランの半個室で、向かい合って食事。お酒も飲んでいました。突然、私の後ろのソファー席に私を押し倒して、首にキスをしたのです。想定外のことに『え?』となって、固まってしまいました。何も反応しない私に、面白くなかったんでしょう。『大丈夫?』と体を離しました。

 彼は『えー、ごめんね』と謝罪しましたが、私は茫然としてしまいました。尊敬していた男性から、いきなり押し倒されたのですから、ものすごくショックでした。『そろそろ行こうか』という声に我に返りましたが、それから心が揺れ動きっぱなし」

 仕事のパートナーからセクハラされたことに動揺した加藤さんは、共同経営者を辞退することを考えました。しかし、責任感から途中で放り出せないと悩みます。

◆尊敬の念とモラルの間で彼女だけが悩んだ結果

「20代の尊敬は、恋愛感情に近いものがあるんです。相手が別居中だとわかっても、付き合うと不倫になる。

『不倫は嫌だな、でもこのまま一緒にビジネスできないなぁ』と悩み続けているうちに、仕事のほうから離れていきました」

 結局、会社自体がダメになってしまい、その社長とは自然消滅したそうです。

「セクハラ防止対策は、普段から気が強いという雰囲気を漂わせ、スキのない振る舞いが大事です。ファッションも、自分の年代よりも一回り上の世代が着ているスーツやラグジュアリーなワンピを選んでいます。」

 でも、気が強いキャラクターを相手に印象づけても、どんなファッションでも、被害に遭う時は遭いますよね。

「それでも力で迫られたら、急にかわいらしくなって、壁ドンのときみたく『今度また』というニュアンスで、さっさと逃げてください」

 まさに「逃げるは恥だが役に立つ」ですね。

―私達の身近な「セクハラ」 vol.14―

<TEXT/夏目かをる イラスト/鈴木詩子>

【夏目かをる】
コラムニスト、小説家、ルポライター。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆〜恋、のような気分で♪」更新中