中国、新疆ウイグル自治区で顔認識システム運用をテスト。指定地域から300m以上離れると当局に警告
中国が新疆ウイグル自治区西部にて、対象者が指定された「安全区域」から300m離れると当局に警告する顔認識システムをテスト中であることを、米Bloombergが報じています。

同地区は2014年に多数の死傷者を出す暴動が起きた後、多くの検問や警察署、監視カメラが設置され、監視システムの実験場になっているとのこと。こうした動きは、中国の一般市民を監視してデータを集め、テロ行為を事前に予測するソフト開発努力の一環と伝えられています中国当局はイスラム過激派のテロを防止するためには、厳重な治安対策が必要だと主張してきました。新疆ウイグル自治区では、約1000万人ものウイグル人に宗教上の自由を制限し、警察がパスポートを預かることで旅行を制約するといった措置を講じており、欧米諸国から「国際人権規約違反だ」として批判を集めています。

同自治区の当局は、住民が市場に入ったり、燃料を購入したり、首都ウルムチのバスターミナルなどの場所を訪れるにあたり、顔のスキャンデータを提出するよう義務付けているとのこと。

こうした監視・警告システムを手がける技術グループは、レーダーや宇宙システムの構築経験を活用。一般市民の仕事や趣味、消費習慣などの行動データを照合してテロ行為を予測するという、SF映画『マイノリティ・リポート』のようなソフト開発の一部とされています。

大手情報会社IHS MarkitのアナリストJon Cropley氏によると、中国は全世界の監視カメラ市場のうち46%を、データ分析するディープラーニング用サーバーの4分の3を占めているとのこと。同国は2015年に国内の治安維持費として938億元(約16兆円)もの予算を発表しており、金額的にも「監視大国」になっているようです。

中国は2017年末の時点で全国に約1億7千万台ものCCTV(監視カメラ)を配置し、2020年までには4億台以上に増えるという予測もあります。高度に情報化が進んだ社会は、最もディストピアに近いのかもしれません。