男女が恋仲に発展するための最初のステップである、デート。

互いの愛情と絆を深めあうチャンスとなる一方で、玉砕する場合もある。

二人で同じ時を過ごし、同じ景色を見ていても、男女で感じるものは違うようだ。

あの時、君は何を思い、その行動に出たのだろうか...




-前の彼女が忘れられない。

そう言いながら、いつまでも過去を引きずっている僕を見かねた友人が、“誰か紹介する!”と言って、紹介してくれたのが亜美だった。

「本当に良い子だから!可愛いし、育ちも良いし完璧だよ。」

友人の噂通り亜美はとても可愛らしくて、そして性格も良かった。

「拓也さんは、どれくらいの間彼女がいないんですか?」

初対面でもよくあるこの手の会話に、僕は素直に答える。

「2年くらいかなぁ。」

前の彼女と別れて以来、僕は誰とも真剣に付き合っていない。出会いは幾多あるものの、あと一歩が踏み出せず、前に進めずにいたのだ。

「こんな素敵なのに、もったいない。世の中の女性は見る目がないですね!」

そう言いながら笑う亜美に、僕の心は動いた。可愛いなぁ。素直にそう思ったのだ。

「今度、二人で食事に行かない?」

久しぶりに自分から食事に誘いたいと思える女性との出会いに、僕の胸は高鳴っていた。


初デート。女性からの質問の意図を読み取るべし


Q1:「どうして彼女と別れたの?」それに対する正しい答えは?


初デートの日程は、すぐに決まった。

予定がなかなか合わないとテンションも下がるが、こうしてスムーズに決まるのは幸先がいい気がして嬉しくなる。

僕たちの初デートは広尾にある『ポンテ デル ピアット』になった。

一見、入口だけでは何の店か分からない。しかし階段を下ると優雅な空間が広がっている、今予約困難な人気イタリアンレストランなのである。




店に現れた亜美は相変わらず綺麗で、僕は静かに微笑んだ。元カノと別れて以来、気になる女性との久しぶりのデートなのだ。

「何、飲もうか。」
「拓也さんが飲むものに、合わせます。」

そんな会話も初々しい。僕たちはまずシャンパンで乾杯し、お互いのことを話し始めた。

「拓也さん、今彼女はいないんですか?」

亜美のストレートな質問に、僕は思わず笑ってしまった 。

「彼女いたら、今亜美ちゃんと二人で食事には来ないよ(笑)」
「そっか、そうですよね(笑)」

亜美と出会う前に、僕は由里という女性と約3年間交際していた。

彼女は大手商社で、総合職として働いていた。高身長で華やかで仕事もできる自慢の彼女だったが、なかなかうまくいかずに別れてしまった。別れた理由は、いわゆる“価値観の違い”というものだったと思う。

「拓也さんは、なんで前の彼女と別れたんですか?」

亜美が不思議な顔をして聞いてくるので、僕は隠すのも何だと思い、素直にありのままの理由を答える。

「結婚願望が強い子だったんだけど、その時僕の方はまだ結婚に対する準備ができていなくて。こっちの煮え切らない態度に相手が見切りをつけた、という言い方が正解かなぁ。」

あの時29歳だった彼女は、かなり結婚に焦っていた。僕と別れた後にすぐ別の男性と結婚したと聞いた時、かなりショックを受けたことを今でも覚えている。

-どうして、結婚に踏み出せなかったのだろうか。

もしあの時彼女と結婚していたら…と、今でも思うことがある。

そんな素直な気持ちを思わず亜美に吐露してしまったが、彼女との出会いで前向きな気持ちがムクムクと湧いてきたのもまた、事実だった。

今こそ、前に進む時なのだろう。

「そうだったんですねぇ。」

悲しげな表情を浮かべる亜美を見て、やはり彼女は良い子だと確信した。

「亜美ちゃんは?どうしてそんなに可愛いのに彼氏がいないの?」

ディナーコースの一皿を食べながら、さりげなく尋ねる。亜美の恋愛事情も知りたい。可愛いのに、なぜ彼氏がいないのか不思議だった。

「んー、ピンと来る人がいなくて。東京はこんなにたくさん人がいるのに、不思議ですよね。」

全くその通りである。どうして出会いはたくさんあっても、デートしたい、付き合いたいと思う人は少ないのだろうか。

そもそも、最近は二人で食事に行くのも面倒で、亜美は久しぶりにデートした相手だったのである。

そのことを伝えると、亜美はケラケラと笑い始めた。

「本当ですか?拓也さん、それはマズイです!だいぶ恋愛低体温男子ですよ!」

亜美の発言に、思わずこちらも声を出して笑ってしまう。

「本当だよね。僕たち二人、良い年して恋愛下手だね。」

お互い見つめ合いながら、笑いあった。いつの間にか、僕は恋愛に対して臆病になっていたのかもしれない。

そんなことを思いながら、初回のデートは楽しく終了した。


初回は順調だった?二回目のデートで拓也が犯していたタブーとは?


Q2:楽しく個室でデート。何がいけなかった?


次のデートもトントン拍子で日程が決まり、僕たちは二週間後にまた二人で食事へ行くことになった。

「二週間ぶりだね。元気だった?」

そんな会話をしながら始まった二回目のデート。初回よりも、僕たちの会話は軽やかに弾む。




「こんなにも連続で会うの、亜美ちゃんくらいだよ。」

亜美と一緒にいると楽しいので、今回のデートも心待ちにしていた。

「本当ですか?拓也さん、モテそうなのに…。本当にデートとかしていないんですね。」

初デートからそこまで間は空いていなかったが、色々と話すことは溜まっており、前回よりも僕たちの距離は縮まっている気がする。

今回は自宅から近い、白金にある和食屋の個室を予約していた。

「ここさ、誰にも会わないからいいんだよねー。六本木界隈とか行ったら知り合いも多いし、こうやってしっぽり飲める方がいいよね。」

下手に知り合いに会うと面倒だし、食事は個室の方が好きだった。まだ付き合っていないのに、誰かに会って色々と突っ込まれるのは嫌いだ。

「拓也さん、有名人ですね(笑)」

亜美の茶化しに“そんなことないよ”と反論しながらも、僕たちが飲む日本酒のペースは上がっていく。

「拓也さん、普段の食事はどうされているんですか?もしかして毎日外食とか?」

「そうなるよねー...彼女がいた時は家でもご飯食べていたけど、最近は毎日外食だよ。 自分一人だと、料理もしないしね。」

「そっかぁ……。外食続くと、体が心配ですね。」

本当に心配そうな顔をする亜美を見て、久しぶりにグッときた。自分のことはどうでも良いが、こうして誰かから心配されて喜ばない男はいないだろう。

「亜美ちゃんって、本当に優しいよね。すぐに結婚できそう。」

「え〜そうですか?嬉しい!すぐに結婚できるかなぁ...」

そんな会話をしているうちにいつの間にか時間は過ぎており、僕たちは食事を終えて外に出た。

時間はまだ23時。この界隈には会員制のバーや、隠れ家的ないいお店がたくさんある。

亜美を、連れて行こう。

「どうしよう?もう一軒行こうか。」

当然のごとく、もう一軒行くと思っていた。しかし意外にも、亜美はここであっさりとした“塩対応”をしてきた。

「行きたいのですが、今日は帰ります。また近々、ご飯行きましょうね!今日はご馳走様でした。」

そう言って、亜美はピンヒールをカツカツと鳴らしながら足早に去っていく。

去り際に一度振り返り、手を振ってきたが、それ以降亜美から連絡は来なくなった。

デートも楽しかったし、向こうも楽しんでいた。

何度振り返っても、何が原因だったのか分からず、また僕は恋愛に対して臆病になりそうだった。

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彼女がデート中に拓也を見切った理由とは?:デートの答えあわせ【A】

<これまでのデートの答えあわせ【Q】>
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Vol.2:2人きりでの食事・デートの誘いに乗ってきた。=“脈アリ”じゃないの?
Vol.3:初デートは「19時、駅に待ち合わせで。」このNGポイントはどこ!?
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Vol.5:初デート。「もう1軒行かない?」と言われた時に男が取るべき行動とは
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