45年以内で負債40兆円を返済目指す
【ライブドア・ニュース 2005年09月30日】− 日本道路公団(JH)など4公団は、10月1日からに分割民営化され、6つの民間会社と独立行政法人に生まれ変わる。公団の抱える約40兆円の負債を45年間で返済することを定め、民間の経営感覚と市場原理を経営に反映させサービス向上を図る。だが、不採算高速道路の建設の余地が残ったとの指摘や橋梁談合事件で明らかになった業界との癒着体質など、課題も山積している。JHは、東日本、中日本、西日本と地域ごとに3つの高速道路会社に分割。首都高速、阪神高速、本州四国連絡橋はそのまま新会社に移行する。現行の4公団が抱える約40兆円の負債は、新しく発足する独立行政法人「日本高速道路保有・債務返済機構」が引き継ぐ。返済機構は、新会社に道路を貸し、その賃料を負債返済に充てる。
民営化に伴い、ETC(ノンストップ自動料金収受システム)利用者を対象に料金割引きなどを実施。10月1日から首都高速は日曜・祝日、夜間で20%、阪神高速は日曜・祝日・土曜の通行料金を20%割引きする。本四連絡橋は10、11月の期間限定で50%の企画割引きを行う。JHが運営する高速道路は、「民営化前に1割引き」として、昨年11月から順次、深夜時間帯に30%割引きや、東京、大阪の大都市近郊区間で、100キロ以内の利用者に対して50%の早朝夜間割引きを始めている。
サービス・エリア(SA)、パーキング・エリア(PA)のサービス向上も期待されている。民営化後は負債返済のため、料金収入のほかにSA、PA部門での収益アップが必要になり、新会社では多様なサービス提供へ知恵を絞ることになる。
一方、無駄な高速道路の建設抑制が出発点の民営化だったが、今後も建設される可能性が残った、との指摘もある。国の高速道路整備計画の総延長9342キロのうち、未共用区間は約2000キロで、699キロは道路特定財源による新直轄方式で建設することになっている。それ以外は、新会社と国土交通相の話し合いで建設するか否かを決めることになっているが、新会社と国側で見解の相違が生じた場合は、最終的に国交相の諮問機関の社会資本整備審議会の意向が反映される。
また、談合体質の一掃も課題。橋梁談合では、現役の副総裁が逮捕される事態になり、談合の温床となる天下りが批判された。JHは8月、天下りなど不正行為防止策をまとめ、取り引き企業への再就職を、役員は無期限で、幹部職員は離職後5年間、自粛する義務を課した。民営化に向けた職員の意識改革と合わせ、信頼回復へ、新会社の経営陣の手腕が問われる。【了】


