同じ神奈川のライバルチームである川崎への移籍を決めた齋藤には、多くの賛否両論のコメントが寄せられていた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 横浜F・マリノスから川崎フロンターレへ移籍した齋藤学が1月19日、自身のインスタグラムなどSNSを更新。移籍に際しての現在の心境を綴っている。

 今回の移籍は齋藤自身が横浜のクラブ公式サイトを通じて、「恩を仇で返してしまうことになってしまいました」と語るなど、苦渋の決断だったことを吐露。8歳からクラブで育まれた生え抜き選手が、同じ神奈川のライバルクラブであり昨季王者の川崎へ移籍することから、その反応には過激な内容も多かった。

 齊藤は「居心地の良いところにいるよりも新しいところに行く怖さ。正直、不安はあるし、緊張するし。それでもここまで叩かれて、戻る場所を無くすことになってまでも、挑戦すると決めました」と、多くのバッシングを覚悟の上で新天地での挑戦を選んだことを明かしている。

 さらに続けて、いまだにマリノスへの強い愛情を持ち続けていることを告白。
「そして、これだけは言えます。10番もキャプテンも中途半端な気持ちで背負っていません。日々その重みを感じながら、怪我する前はピッチで、怪我してからもピッチ外で、マリノスがどうすれば良いチームになるか自分なりに考え行動してきました。

 僕はマリノスが大好きです。
 だって、自分の全てが、詰まった、8歳から過ごしてきたクラブですよ。『屑、死ね、裏切り者、怪我治るな』など何を言われてもしょうがない。そう思っていましたが、ひとつだけ言わせてもらいたい。
 今までマリノスの選手として闘ってきたこと、これだけは否定されたくない」

 齊藤はこう述べて、自らの横浜愛とともに、これまでチームへ忠誠を尽くしてきた自負も垣間見せている。

 そして、最後には次のような言葉でメッセージを締めくくっている。
「たくさんの人を失望させ傷つけてしまって、すみません。
叱咤激励の投稿、コメント、ほぼ読ませていただきました。
こんな中でも応援してくれている人がいること、どんなに嬉しかったか。
ありがとうございました。

最後に、横浜F・マリノスに関わる全ての皆さん、今まで本当にありがとうございました。長い間、お世話になりました。

そして、川崎フロンターレの皆さん、お世話になります。誠心誠意 全力を尽くしてプレーします!
宜しくお願いします。」

 現在の心境をここまで正直に語ったのは、多くの反応があったからこそだろう。齋藤はいまだ昨シーズンの怪我が癒えず、リハビリに励んでいる状況だが、新シーズンの横浜戦でピッチに立つことになれば、再び様々な反応を引き起こすことになりそうだ。