ログハウス=別荘……なんて、どうやら古い考えのようだ(かく言うd.365編集部も、最初はそんなふうに思っていたのだが)。メーカーとオーナーに話を聞いて分かったのは、今やログハウスは週末の別荘ではなく、毎日を笑顔にしてくれる居心地のいいスペースだってこと。これって、家族との時間も、自分の時間も大切にする「d.な人たち」に最高の住処じゃない?

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ログハウスって、実は“丈夫”で“合理的”



ご存知のとおり、ログハウスは丸太を使用して作られた建物。一般的な木造住宅でも、せいぜい木材は主に柱と梁に使われる程度だが、ログハウスは太い丸太を1本1本横に積み上げていく丸太組構法が用いられる。つまり、すべての壁面は木材で、その壁自体が構造体になっているから合理的な作りというわけだ。

しかも、ログハウスはログ材を半段ずつずらして積み上げられ、木材が交差するコーナー部分はノッチ(溝)によって組み合わされるから、実は強度も高く、耐震性にも優れているという。



窮屈な家から、“楽しむ家”へ



今回話を聞いたのは、ログハウス・ブランド「BESS(ベス)」を展開するアールシーコアの黒木玲央さん。

「私たちは住宅メーカーとは謳っていますが、実のところ、家を売るというよりは“暮らしを提案して”いるんです。BESSの考える暮らしとは『住む』より『楽しむ』ということ。弊社では現在、中長期のテーマとして“梺(ふもと)ぐらし”を掲げています」

それは、インターネットの普及によってどこにいても情報が入り、誰とでも連絡が取れるようになっている現在、「住む場所にこだわらなくたっていい」というもの。そして、どうせ暮らすなら「自然を感じられる場所がいいんじゃない?」という提案だ。

「それも“田舎暮らし”というのではなく、BESSが考える梺というのは、街からもそれほど遠くなくて、自然を感じられる場所。都内の近くだと神奈川県・大磯のあたりをはじめ、『ここが梺かな』と思える場所はいくつか想像できるかと思いますが、資産価値ではなく、自然寄りでおおらかな暮らしを、家だけではなく住む場所も含めて提案しています」



とはいえ、都心や市街地に住んでいる人からすれば、梺ぐらしやログハウス暮らしはハードルが高いはず。

「むしろ『マンションに住んでいたけど、生活が窮屈だった』とお話しされる方が多いですね。特に賃貸ですと、フローリングをキズ付けたり、気軽に壁に何かを貼ったりできません。でもログハウスは、無垢材を使用しているのでキズは絶対に付いています。それを“味”として受け入れられるようになったり、DIYの跡なども自分の家の“特徴”になったりしていくので『楽しめる』のです」

「また、普通はお子さんが家の壁に落書きをすると怒ってしまうケースが多いと思うのですが、BESSのオーナーさんの家に行くと『落書きの跡をあえて残しています』という方もいらっしゃいます。『子どもが成長して家を出て行ったあとも“思い出”として残る』からだそうです」



年1回のメインテナンスもイベントに



BESSではその世代だけではなく、子どもの世代にも使って欲しいと考えているという。“長く受け継がれる家”だ。

「実際、ログハウスは50年でも100年でも保つんです。その好例が、奈良の正倉院。これは丸太組構法で作られているので、実はログハウスなんですよ。世界的には3000年以上前に作られて未だに残っている建造物も多い。しっかりとメインテナンスさえしていれば、半永久的に残っていくんです」

ログハウスのメインテナンス……と聞くと、なんだか大変そうな気も。さすがに、年末の大掃除レベルでは済まないだろう。

「いちばん頻繁なウッドデッキのメインテナンスは、だいたい年1回。主な内容は“塗装”です。とはいえ、ひとりでやると確かに大変なので、お友達を呼んで塗装を行い、そのあとはバーベキューをしたりと、『メインテナンスがあるからみんなで集まろう』と、1年に1回のイベントとして楽しまれている方が多いようです。最もハードルが高い印象の外壁は、住む環境などにもよりますが、10年程度のサイクルです。自ら行われる方も大勢いらっしゃいますよ。もちろん、BESSでも対応できますし、50年保証もあるので安心して暮らしていただけます」



70点の家を120点の家へ



ログハウスは、買っておしまい……ではなく「買ってからが本番」と黒木さん。

「私たちは、引き渡しの時点では70点の家をお渡ししている感覚なんです。無垢の木は年月とともに味わいを増しますし、自分の暮らしのなかで手を加えていって100点にするか、120点にまでなるかはオーナーさんの暮らし次第だと考えています」

カタログやWebサイトを眺めていると、自由で楽しそうな空間演出に憧れも強まってくる。とはいえ、そんな空間づくりは個人のセンスが問われそうだ。

「家を購入された後も、インテリアを見たりするために展示場に遊びに来てくださる方は多いですね。別の展示場まで足を運んでくださる方もいらっしゃいます。無垢の木はどんなテイストのインテリアにも合いますし、今はみなさん、こだわりが強く、オシャレな人が多いので素敵に暮らしていますね。Instagramなどでオーナーさん同士での情報交換もされているようです」



そして、にわかに信じがたいのだが、BESSライフの必需品ともいえるのが薪ストーブ。同社でも推奨しているが、それは「ログハウスと相性がいい」からだという。

「無垢材は蓄熱作用が高いので、夜に薪ストーブを焚いてそれが消えて熾火になっても、朝起きてまだ暖かいんです。木の間の細胞に暖まった空気が溜まり、それが維持されるので、温度が下がりにくいんです。オーナーさんの6割が薪ストーブを導入されていますが、みなさん、薪集めなどの手間以上の楽しみがあるとおっしゃいます」

確かに薪を入手するのは大変だが、そんな薪を通じたコミュニティもできているという。

「オーナーさんがSNSなどで自然に集まって、全国的にコミュニティができあがっています。その中で『薪どうしてる?』とか『DIYをどうやったらいい?』などの情報交換が行われているようです。最近ではInstagramでつながることが多いようで、『このオーナーさんの家、ステキ!』などのコメントを付け合って、最終的にはお互いの家に泊まりに行ったりすることもあるみたいですよ」



現在、BESSのオーナーは公式で1万6000世帯以上。「まだまだ、ログハウスには別荘としてのイメージが強い」と黒木さんは話すが、それでもBESSでは購入者の90%以上が自宅利用なのだとか。

ログハウスのキホンは分かった。では、そこに“暮らす”と毎日がどれだけ楽しくなるのか。次は、実際にログハウスに暮らす人に、その魅力を聞いていこう。

textタケイシユーゾー(編集部)

photo高村 達