かつては高級品の定番だったオーダーメイド商品。しかし昨今では技術の進歩により、今までよりもお安く手軽に利用できる新サービスが登場しています。今回の無料メルマガ『音多秀茂の【富と成功の5つのタネ】』では著者の音多さんが、ZOZOTOWNが提供を開始した「ZOZOスーツ」の凄さを紹介するとともに、個人で取り組める「手順を省く仕組みづくり」について考察しています。

ブルーオーシャン戦略〜オーダーメイド〜

今日はビジネスのタネからお届けします♪

今回のテーマはブルーオーシャン戦略と題し、これからのビジネスでますます目立って来ると思われる「オーダーメイドサービス」からあなたのビジネスを進化させるアイデアを考えてみたいと思います。

オーダーメイドやカスタマイズが今後のビジネスの中心となる理由は、逆にこれまでが大量生産大量消費で、全国どこでも同じ物やサービスが手に入る時代だった事を考えればおのずと見えて来ます。

大量生産大量消費モデルとしてすぐ思い浮かぶのがコンビニでありファミレス、そして衣料系の似たようなチェーン店です。消費者はそうした所から商品やサービスを受けるの事にそろそろ「飽きはじめている」のが事実です。私もコンビニはセブンが好きですが、毎日行ってると「たまにはコンビニじゃなくてスーパーに行くか」とか思いますもん。

自分が選んだ服と同じ服を着ている人がそこらじゅうに溢れているのもあまり気持ちの良いものではありませんよね。世の中全体が「もっと個性を出したい」と思い立つ日もそろそろかもしれません。そしてこうした現状を都合良く打破してくれるのがネットやITから生まれる新技術、新サービスです。

例えば個々人のインターネットリテラシーの低かった以前なら、ランチをどこにしようか迷ってもネットで調べようとはせず「とりあえずファミレスに行っとけ」的な感じだったんですね。しかし今、ようやく多くの人が「ネットで検索する」という一手間を惜しまなくなってきた時代に移りつつ有ります。

すると彼らは食べログなどで身近な場所にある評価の高いお店を見つけ、より多くの人が自分の好みに合わせたお店を自力でフィッティング出来るようになります。そうした自分の望み通りの情報に到達出来る人の割合がここ最近、急激に伸びていると思うんですね。すると今後のビジネスはよりオーダーメイドやカスタマイズといったサービスが重要になって来るわけです。

ちなみになぜオーダーメイドやカスタマイズサービスがこれまで主流では無かったかと言うと、単純に「高い」から。それは一点一様の物作りであり、例えばスーツをオーダーしようと思ったらそれは金額的に敷居の高いものでした。

とはいえ店側にとってオーダーメイドとは利益率が高く、受託生産ですから在庫を持たなくて良いというメリットがあります。出来れば拡大させたい商品だったわけです。ですが「高い」ですからよほどの強みや付加価値が無ければやりたくてもやれないという問題もありました。

しかし今、その壁がITやネットの力でどんどん取り払われています。パラダイムシフトが起こって、オーダーメイドの存在が「高く難解な物」から「安くて便利な物」へ移行して行きます。特に消費者にとってはより安く満足度の高い商品を手に入れる事が出来るようになります。

例えば、最近私の目を引いたのがZOZOTOWNという衣類販売サイトが無料で配り出した「ZOZOスーツ」という商品です。昨年11月に発表された直後に私も即買いしました。これは体の寸法を瞬時に採寸するセンサー内蔵のボディースーツであり、ZOZOTOWNはこのスーツによって計測したデータから自分の身体に合ったPB商品を今後販売する予定です。

コレの何が凄いかと言うと、これまでのオーダーメイド衣類は一点一様でお店でスタッフに採寸されなければいけませんでした。そしてそのデータはお店の所有物だったわけです。更に体形が変わればデータも取り直しとなる為、その場限りの物でした。しかしこのスーツを使えば一瞬で何度でも、自宅で自分の体形を数値化出来ます。

またこうした商品は資生堂も開発していて、気候や体調で変わる肌の状態をモニタリングし、それに合う化粧品を提供する専用マシンを今後販売する予定との事。

いずれもポイントは同じで、これまで一番のネックであった「お店のスタッフが時間をかけて採寸(判定)する」という手間を省き、予め準備しておけるPB商品を即座に消費者へ届ける事が出来るという点に有ります。

今回の話の肝は、これまでのオーダーメイドの概念から採寸や測定のプロセスを何らかの機械を用いて省いてしまい、より安価かつ高精度な商品を消費者に届ける所にあります。場合によっては測定自体を消費者にやらせてしまうんだから図々しいというか一石二鳥のアイデアですが、現在スーパーなどでもレジ打ち係が減って購入者にバーコードを読ませさせる所もありますから世の中そういう流れなんでしょう。その為に各社惜しまず機器類に開発費用をかけています。

つまりこのポイントが分っていれば、自らの仕事の仕組みの中に応用出来る可能性がありますよね。例えばあなたがこれまで時間を変えて収集していたデータあるなら、それを何らかの集計表にして配ったり、場合によってはマクロを組むなどして相手に入力してもらいあなたはデータを眺めるだけで良くするなど、出来る人は昔からやっています。

古くからある「アンケート調査」も同じ仕組みです。誰かがアンケート用紙を一枚作れば、それを配るだけで需要や消費ニーズを入手できますよね。後はそれに合わせた商品を開発すれば良いだけです。

富と成功の鍵を握るのは、こうしたポイントをしっかり押さえているかどうか、という点が大きいんですね。

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