シード選手を倒して、3回戦進出を決めた大坂なおみ

20歳の大坂なおみが、2018年のメルボルンで着実に成長している姿を披露している。

 全豪オープンテニスの2回戦で、大坂(ATPランキング72位、1月15日付け、以下同)は、第16シードのエレナ・ベスニナ(19位、ロシア)を、7-6(4)、6-2で破った。これにより全豪で2年ぶり2回目の3回戦進出を決めるとともに、大舞台でシード選手を破る大物ぶりも見せつけた。

 大会4日目は、最高気温が39度に達する今大会一の暑さだった。しかし、アメリカ・フロリダ半島のフォートローダーデールに住む大坂は、「フロリダの方がもっと湿気があって、温度が高いと思う」と言って、ほとんどの人が燃えるような暑さだと感じていたにも関わらず、気にも留めなかった。

 そんな気象条件の中、試合がスタート。第1セット第4ゲームで、ベスニナの2回のダブルフォールトに乗じて、大坂が先にブレークに成功するが、サービング・フォー・ザ・セットとなる第9ゲームでブレークバックを許してしまい、お互いワンブレークでタイブレークに突入した。

 タイブレークではネットインしたボールが、大坂の味方をした場面があったり、大坂が2本連続のサービスエースを決めたりと、勝負どころで強さを発揮してセットを先取した。

 ベスニナがバックハンドを得意としているため、大坂はなるべくベスニナのフォアサイドへボールを集めた。そのことも功を奏し、続く第2セットでは、第3ゲームでベスニナのサービスゲームを40-0からブレークして一気に勝負を決めた。

 大坂の2回戦での最速サーブは時速189km。ベスニナがサービスリターンのうまい選手であるため、サービスエースは8本にとどまったが、ファーストサーブでのポイント獲得率は82%と高く、サーブの安定感が光った。

 さらに、手堅いグランドストロークを打つベスニナが、一次攻撃で大坂をサイドに振っても、大坂がきっちりとディフェンスをして深く返球し、ラリーを続けることによって、好機をうかがいながら反撃に転じることができた。

 そのため、堅実なテニスが持ち味で本来ミスの少ないベスニナが26本のミスを強いられる一方、大坂はベスニナより少ない22本のミスにとどめた。

 大坂のコートカバーリングがよくなったのは、彼女の体がよりフィットしたからだ。昨年、オフシーズンの12月に、1日約4時間のフィットネストレーニングを行なって、体重を7kgも減少させた。体つきがシャープになり、それに伴いコート上での動きが向上した。

 また、大坂は今季からツアーコーチを、デビッド・テイラーからサーシャ・バジンに変更した。

「自分のテニスの方向性はよかったと感じていたけれど、何かを変える必要があると思って決断しました」

 新しいパートナーとタッグを組んだ大坂は、バジンコーチを選んだ理由を次のように語る。

「サーシャは、ツアーにとても長い間にわたって関わってきた人ですし、彼の性格が私に合っていると感じました。いい関係が築けているし、いいアドバイスももらえています。だから、自分自身により集中できて、とてもいいです」

 3回戦で大坂は、第18シードのアシュレイ・バーティ(17位、オーストラリア)と初対戦する。バーティはジュニア時代から天才と言われ、オーストラリアテニスの未来を担うと期待されている21歳。どのショットも器用に打ち、非常にセンスのいいテニスをする。

「なおみは若く素晴らしい選手ですし、自分のポイントが欲しい時に、コートを切り裂くようなすごいボールを打つことができる」

 バーティはそう言って警戒する。

 一方、大坂は今回の全豪でグランドスラム3回戦進出は6回目となるが、過去5回はすべて敗れており、グランドスラム初のベスト16進出に闘志を燃やす。

「今まで5回も3回戦に進出しました。本当にたくさん……。過去のグランドスラムでは、3回戦に行けたことを嬉しく思えました。でも、今はもっと勝ちたい。だから全然満足はしていません。さらに先に進めたら、その時は喜びたい」

 バーティは決して簡単な対戦相手ではないが、2回戦で第16シードを破ったことからもわかるように、大坂は確実に成長を遂げている、持っている力をすべて発揮できれば、チャンスは小さくないはずだ。

 大坂がグランドスラム第2週の扉を初めてこじ開ける時は十分に満ちている。

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