世界中にカレーは存在するものの、カレー文化が存在するのは日本だけである

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要約者レビュー

 カレー界で知らない人はいない、スパイス&カレーの専門家である水野仁輔氏による著書である。2020年に東京でオリンピックが開催される時、著者は海外に向けて日本のカレー文化の魅力をもっと発信していきたいという。

 日本には、独自の進化を遂げた「カレーライス」がある。日本にカレーが伝わったのはおよそ150年ほど前だという。もともとインドで生まれたカレーはイギリスに伝わり、ブリティッシュカレーとして日本にやってきた。その後、日本人の好みに合うような味が追求され、一般家庭でも食べられるようにカレー粉やカレールウ、レトルトカレーが開発されていった。さらにカレーは、さまざまな食べ物と組み合わさって、バラエティ豊かに発展している。ここまでカレーが国民に愛され、発展していった国はほかにはない。

 本書『カレーライス進化論』には、そんなジャパニーズカレーの歴史から、大手カレーチェーン店「ゴーゴーカレー」や「カレーハウスCoCo壱番屋」の海外展開事情、カレーのおいしさの構造分析、衝撃的なドリップカレーについてなど、カレーについての知識やニュースがたっぷりつまっている。そして、著者だからこそ見通せるジャパニーズカレーのこれからについて、考察している。関心のあるところをパラパラとめくるだけでも、身近な存在であるカレーのいろいろな姿を、案外知らなかったということに気づくだろう。読後は、カレーを、いっそうおいしく味わえるようになる一冊である。  (名久井 梨香)

本書の要点

(1) 大手カレーチェーン店の「ゴーゴーカレー」や「カレーハウスCoCo壱番屋」は、海外にも出店し、成功を収めている。今、ジャパニーズカレーは世界へ進出している。
(2) カレーは明治時代の文明開化のころに、インドからイギリスを経由して日本に伝わってきた。その後、日本では国産のカレー粉が開発され、カレールウ、レトルトカレーなどが誕生した。「カレー味」という概念も生まれ、日本独自のカレー文化が発達した。
(3) これからの日本のカレー文化が進化していくためには、ジャパニーズカレーのおいしさの理由を体系的に整理し、開示して共有する「カレーのオープンソース化」が必要だ。

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