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アクセンチュアは1月18日、東京都港区三田に新施設「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」を開設したことを発表し、報道陣に披露した。同施設は、同社のプロフェッショナルが顧客と共同で革新的なアイデアを具現化させるための拠点となる。

○デジタルを具体的に示すことができる場

アクセンチュア 代表取締役社長 江川昌史氏

代表取締役社長を務める江川昌史氏は、「これまで、顧客から『デジタルってどんなもの』」と尋ねられながらも、具体的に示すことができないというジレンマを抱えていた。いつかグローバルに負けない施設を作りたいと思っていた」と、新施設を開設した背景を語った。

そして、「アクセンチュア・ジャパンは2015年度まで、グループ全体で第6位に甘んじていたが、2017年度には第3位にまで上昇したあと2年くらいで第2位のイギリスを抜くことができるのではないか。また、ジャパンの従業員は約1万人に達しており、量と質の量面で成長を目指している」と述べた。

量については、拠点の拡大を図っていく。今回、「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」を開設したことに加え、東京オフィスおよび関西オフィスの拡充、さらに九州における拠点の開設、拡充を予定している。

例えば、2018年2月に大阪府大阪市の関西オフィスを拡充し、2000人まで従業員を増やす計画だという。2018年春には、東京都港区の本社機能を移転・拡充する予定だ。さらに、2018年上半期には、福岡県福岡市に新拠点を開設するなど、九州における拠点を拡充する。「われわれの各拠点、施設はグローバルと直接つながっているが、国内の顧客に対し、きめ細かに対応していくには、拠点を増やしていく必要がある」と江川氏。

一方、質については、「アクセンチュア・イノベーション・アーキテクチャ」の下、同社のミッション「イノベーションによって世界の人々の仕事と生活をよりよくする」を遂行する。

江川氏は、昨年12月に完全子会社化したアイ・エム・ジェイの本社が、イノベーション・ハブ東京が新たに入居するビルに移転し、アクセンチュア インタラクティブとアイ・エム・ジェイとの協働環境が整ったことにも触れた。

○アクセンチュアの専門家とイノベーションの共創を

アクセンチュア 執行役員 デジタルコンサルティング本部 統括本部長 立花良範氏

「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」の詳細については、執行役員 デジタルコンサルティング本部 統括本部長 立花良範氏が説明した。同氏は、アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京が、「アクセンチュア・イノベーション・アーキテクチャ」を具現化するものだと述べた。

アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京は、「アクセンチュア・イノベーション・アーキテクチャ」を構成する要素のうち、「アクセンチュアベンチャー」(投資&オープンイノベーション推進)、「アクセンチュアラボ」(研究・開発)、「アクセンチュアスタジオ」(イノベーションをもたらすソリューション)、「アクセンチュアイノベーションセンター」(成功事例・アセットの蓄積・展開)をカバーする。

同社は2016年7月に「アクセンチュア・デジタル・ハブ」を設立したが、非常に有効な場だったという。新設されたイノベーション・ハブ東京は、デジタル・ハブの10倍を超える広さと、大きく拡大させるものとなる。

立花氏は、アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京について、「イノベーションの創出に向けて、世界の機関、人材、知見と連携する場」と説明した。具体的には、アクセンチュア・ジャパンおよびアクセンチュア・グローバルの専門家を即興的に集めて、イノベーションのためのディスカッションが行える場となる。

イノベーション・ハブ東京は、下の階の「THE HUB」と上の階の「THE STUDIO」の2つのフロアに分かれている。「THE HUB」はストリートと位置付けられ、アイデアを生むためのワークショップやツアーを体験できる。一方、「THE STUDIO」は家と位置付けられ、アイデアが生まれたら、STUDIOの部屋を確保して、新たなサービスの企画を行う。場合によっては、「お客さまにもSTUDIOに3カ月住んでいただき、一緒にサービスを生み出していく」と立花氏は語った。

イノベーション・ハブ東京の機能のうち、「デジタル・ハブ」にはなく、新規で設けられたものは「ナノ・ラボ」とスタジオとなる。

最近、ITベンダーやコンサルティング・ファームが顧客とデジタルビジネスの実現に向けて共同作業を行うための施設を設立する傾向が高まっているが、立花氏は同社の強みについて、次のように語った。

「競合に対するアドバンテージは2つある。コンサルタント、エンジニア、データ・サイエンティストなど、当社にはあらゆる人材がそろっており、さまざまな人間がイノベーションを生み出すことができる。われわれは独自で開発しテクノロジーを持っていないが、これは、中立的な立場で、どんなテクノロジーでも組み合わせることが可能であることを意味する」

○櫓に屋台、祭りの街・麻布十番にふさわしい施設

「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」の最寄り駅の1つに麻布十番がある。江川氏は、「麻布十番と言えば、おまつり。アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京にも中心に櫓をつくった。顧客に応じて、屋台も出す」と述べた。

説明会では、「バーチャルショップゾーン」「人工知能ゾーン」「生体情報センシングゾーン」「New ITゾーン」「インダストリーゾーン」で、デモや展示が披露された。

例えば、人工知能技術を導入しようと思うと、どのエンジンを選択するかが検討課題となるが、「人工知能ゾーン」では、さまざまな人工知能のエンジンを組み合わせて評価できるプラットフォームを試すことができる。

また、「生体情報センシングゾーン」では、脳波を測定して、そのデータを介護に生かすソリューションの仕組みを見ることができる。

「インダストリーゾーン」は、顧客に合わせて、屋台の上にソリューションを載せて展示が行われるエリアだ。今回は、「HoroLensを使ったメンテナンス」「デジタルツイン」など、主に製造業向けのソリューションが展示されていた。

人工知能、スマートスピーカー、VR。AR、MRなど、先進的なテクノロジーは、耳にすることはあっても、実際に目にする機会はあまりないと思う。しかし、「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」では、こうしたテクノロジーがソリューションとして使われた形で展示されており、デジタルの今を体験できる機会を得ることができる絶好の場と言える。