ひとつのミスが驚かれ、ニュースになる。やはりメッシは異次元のプレーヤーなのかもしれない。(C)REUTERS/AFLO

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 今シーズンここまでリーガ・エスパニョーラ、コパ・デル・レイ、チャンピオンズ・リーグの全試合で無敗を誇っていたバルセロナが敗れた。しかも、これまで一度も負けたことがなかったスタジアム、コルネジャ=エル・プラット。でだ。

 コパ・デル・レイ準々決勝の第1レグで、29試合連続無敗を誇っていたバルサから勝利を挙げたエスパニョールの選手たちは、試合終了のホイッスルが鳴った後も、すぐにはロッカールームに引き上げず、まるでタイトル獲得を決めたかのように、ピッチに残り、スタンドのサポーターと喜びを分かち合っていた。

 エスパニョールの監督、キケ・サンチェス・フローレスは、「クラブの歴史においてとても大きな勝利だ。バルサは高い壁。それを打ち崩すことが重要だった」と振り返った。

 エスパニョールが現在のホームスタジアムでバルサに勝ったのは、初めてのこと。彼らが最後にダービーに勝ったのは2009年2月20日。この試合の会場はカンプ・ノウで、コルネジャ=エル・プラットが完成したのは、その半年後の2009年8月だった。

 前日記者会見でバルサのエルネスト・バルベルデ監督は、「コパ・デル・レイのダービーマッチに、リーガでの勝点差などなんの意味も持たない」と発言していたが、指揮官の危惧は現実となり、バルサは、今シーズンの初黒星を喫した。

 バルサの敗因について、現地メディアの多くは、リオネル・メッシのPKミス(あるいはGKディエゴ・ロペスのセーブ)が要因だと分析している。

 バルベルデ監督もメッシのPKが「転機になったかもしれない」と認め、この試合で唯一の得点を決めたエスパニョールのオスカール・メレンドも、「あのPK失敗でテンションが一気に上がった。それは僕らが必要としていたものだった」とコメントしている。

「嘘みたいだがメッシは人だった」(Marca紙)

「PKの失敗がメッシを人間らしくした」(Mundo Deportivo紙)

「彼も人間」(Sport紙)

 地元メディアがこのように報じているのは、メッシが普段「神」や「宇宙人」扱いされているから。一方でエスパニョールの守護神ディエゴ・ロペスは、メッシのPKを二度セーブした初めてのGKという名誉を得ることになった。

 試合後、バルサのDFジェラール・ピケは、「もし負ける試合をひとつ選ばなければならないとしたら、この試合を選んだだろう」と話し、セルジ・ロベルトは、「どっちが有利かは僕には関係ない。ホームで勝ってベスト4進出を決めるだけだ」と決意を語った。

 またセルヒオ・ブスケッツも、「第2レグをホームでサポーターとともに戦えるのはポジティブ。逆転を狙う」と話しているが、いざフタを開けてみなければわからないのがダービーマッチ。前評判は依然としてバルサ優位だが、第1レグと同様の結果に終わったとしてもなんら不思議はないのだ。

文●山本美智子(フリーライター)