15歳の新鋭コスチュク、3回戦進出の快進撃![全豪オープン]

写真拡大

テニスを始めた子供の頃は極端な完璧主義者だったマルタ・コスチュク(ウクライナ)は、1本でもボールをミスすると癇癪を起こした。テニスが少しも楽しくなかった。

「私はいつも、なにがなんでも勝ちたかった」とウクライナのティーンエイジャーは言う。「負けてる時は悲劇だった。もうプレーしたくないって感じだった」。

水曜日にオリビア・ロゴウスカ(オーストラリア)を6-3、7-5で倒して、「全豪オープン」3回戦に進出する20年ぶりの最年少選手となった今、コスチュクはテニスのアップダウンと折り合いをつけている。15歳にして老賢者のようだ。

「今は楽しめるようになってきた。やっと」とコスチュクは言う。

メルボルンでのコスチュクのパフォーマンスは、これほどの短期間の成長であることを思えば驚異的だ。「全豪オープン」はコスチュクにとって初めてのグランドスラムであるばかりか、WTAレベルの大会で初めて本戦に出場しているのだ。

世界ランクは521位。生涯獲得賞金は7,000ドルにも満たない。

それでも、快活なコスチュクのテニスは、この瞬間への準備が十二分に整っているように見える。昨年の「全豪オープン」ジュニアのタイトルを獲得したことで、予選へのワイルドカードを与えられたコスチュクは、3試合に勝って本戦出場権を手に入れると、1回戦で第25シードのベテラン、ペン・シューアイ(中国)を破る番狂わせを演じた。

2回戦は1回戦よりもさらにタフだったかもしれない。それでもコスチュクは、メルボルン・パークのナンバー2コートであるマーガレット・コート・アリーナに立ち、ワイルドカードで出場したロゴウスカを、彼女に声援を送る観衆の前で撃破した。

スタッツは美しいものではなかった。わずか22本のウィナーに対してアンフォーストエラーは45本。だが、コスチュクはプレッシャーにうまく対処した。パワープレーヤーのコスチュクは両サイドから強打を放ち、ミスショットを犯しても攻め続けた。

ミスショットは多かった。サービング・フォー・ザ・マッチでも、フレームショットになったサーブが観客に当たりそうになったほどだ(コスチュクによると日差しのせいで、「ボールを投げたら日差しのところに来た」という)。

コスチュクは子供の頃はアクロバットをしており、非常に才能に恵まれ、ウクライナの国内選手権で4位になったこともあった。しかし、元プロテニス選手で現在はコーチをしている母親のそばにいたかったことから、11歳の時にアクロバットをやめてテニスに集中するようになった。

昨年「全豪オープン」ジュニア女子を制した後、プロレベルへジャンプアップし、元世界ランク3位で現在はロジャー・フェデラー(スイス)のコーチのイワン・リュビチッチをマネジャーに迎えた。リュビチッチがコスチュクのテニスに与えた影響は、すぐに結果に表れた。

「イワンは会った時にいつも助けてくれる」とコスチュクは言う。「それにロジャーとも話をしたことがある。本当にちゃんと話をした。"やあ、元気か"っていう程度じゃなくて。あれは嬉しかった」。

メルボルンで快進撃を見せるコスチュクは、これで1996年に15歳で準々決勝まで勝ち進んだマルチナ・ヒンギス以来、3回戦に進出する最年少選手となった。

この活躍で、コスチュクは大きな注目を集めている。過去にほかの若手選手を苦しませた類いの注目だ。ヒンギスのような大躍進が最近めったに見られないのも、WTAツアーがティーンエイジャーを守るため、出場できる試合数に上限を設けているせいもある。15歳のコスチュクは最大10試合しかエントリーできない。

それでも、若い選手は今も「大騒ぎされる」と、17歳で「全米オープン」ベスト8になってスイスの神童と騒がれたベリンダ・ベンチッチ(スイス)は言う。

「1試合か2試合勝っただけで、みんなの注目を浴びるようになる」。長らく負傷に悩まされ、「全豪オープン」でビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)を破る番狂わせを演じたわずか2日後に、2回戦で敗退したベンチッチは続ける。「勝つことを突然義務づけられる。本来は、そうなるべきじゃないのに」。

ベンチッチはコスチュクが「このすべてを楽しんで、最初の時、初めてのグランドスラムでワクワクした時の感覚を胸に留めて、その感覚を保つ」ことを願っている。

コスチュクの次の対戦は、はるかに厳しいテストになる。相手は同郷、第4シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)だ。スビトリーナは負傷の問題に悩まされており、メルボルンでプレーできるかどうかわからないとしていたが、次の試合はスビトリーナが勝つという見方が圧倒的だ。

「彼女は失うものがなにもないから、なんでもやってくると思う」とスビトリーナはコスチュクについて語った。「なにをしてくるかわからない」。

しかしコスチュクは自身にチャンスを与えている。試合を重ねるごとに、どんどんプレーがよくなっていると確信しているのだ。

「私はただ楽しもうと思う」とコスチュクは語った。「私のベストのプレーを見せるように頑張るだけ」。

(C)AP(テニスデイリー編集部)

※写真は20年ぶりの最年少で「全豪オープン」3回戦に進出するマルタ・コスチュク
(Photo by Cameron Spencer/Getty Images)