中日の入団テストを受ける松坂大輔【写真:荒川祐史】

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再起期すかつての“怪物” 中村ノリや同級生の久保もテストから復活

 昨季限りでソフトバンクを退団した松坂大輔投手は近日中に中日の入団テストを受けることが決まっている。復活を期しての挑戦は大きな注目を集めている。

 日米通算164勝の実績を誇る“平成の怪物”にとっての目標は、合格を勝ち取っての完全復活。過去に戦力外からテスト入団を経て、復活を遂げた主な選手たちをピックアップした。

◯中村紀洋内野手(近鉄→ドジャース→オリックス→中日→楽天→DeNA)
 2004年まで近鉄でプレー。05年にポスティングで米大リーグ・ドジャースへ移籍した。同年オフにオリックス復帰。06年は故障に苦しみ、打率.232、12本塁打と目立った数字を残せなかった。オフの契約更改で合意に達せず、自由契約となった。

 中日の春季キャンプで入団テストを受け、育成選手としての入団が決定。リーグ戦開幕直後に支配下登録されると、クリーンアップを任され、この年、打率.293、20本塁打と完全復活。日本シリーズでも結果を残し、シリーズMVPに輝いた。

◯久保裕也投手(巨人→DeNA→楽天)
 巨人ではセットアッパーなどで活躍。2010年にはリーグ最多の79試合に登板し、8勝1敗1セーブ32ホールド。11年には抑えとして20セーブをマークした。12年に右ひじのトミー・ジョン手術。1軍登板なく終えた15年のシーズン後に、他球団での出場機会を求めて退団。DeNAに移籍した。

 しかし、16年は9試合の登板に終わり、オフに戦力外通告。12球団合同トライアウトを経て、翌年に楽天の入団テストを受け、合格を勝ち取った。

 楽天1年目の2017年は中継ぎとして27試合に登板。7月に3年ぶりの勝利を挙げるなど3勝、防御率3.60と復活を遂げた。右手の指に血行障害の症状が出て、来季はリハビリ専念のため育成契約を結んだ。

宮地はテスト入団後にキャリアハイの数字、苦労人カズ山本も復活

◯宮地克彦外野手(西武→ダイエー・ソフトバンク)
 投手として西武に入団したが、打撃センスと強肩を買われ外野手に転向。2002年に主に3番打者として100試合に出場。リーグ制覇に貢献した。

 しかし、2003年は25試合の出場に終わり、オフに戦力外通告。トライアウトを経て、ダイエー(現ソフトバンク)にテスト入団した。

 移籍1年目の2004年に93試合に出場。規定打席には届かなかったが、打率.310と結果を残した。翌05年には125試合の出場で、打率.311、3本塁打、36打点。自身初めて規定打席に到達した。オールスター出場、ベストナインも受賞と完全復活どころか、16年目にしてキャリアハイの数字を残した。

◯山本和範外野手(近鉄→南海・ダイエー→近鉄)
 1977年から近鉄でプレーするも、結果を残せず82年のオフに戦力外通告。バッティングセンターでアルバイト中に南海の関係者の目に留まり、83年に南海入団。頭角を表し、86年には打率.294、19本塁打とブレイクした。94年途中に登録名を「カズ山本」に変更。イチローに次ぐリーグ2位の打率.317をマークした。

 しかし、95年に左肩を亜脱臼。46試合の出場にとどまり、オフに戦力外通告を受けた。その後、古巣・近鉄のテストを受け入団。96年は開幕から結果を残し、出場したオールスターではMVPに輝く活躍ぶり。この年は打率.266、14本塁打と復活を印象付けた。

 決して数は多くはないが、どん底からはい上がり、再び輝きを放った選手もいる。マウンドに君臨する松坂の姿を、ファンは誰もが待っている。(Full-Count編集部)