40歳を過ぎてから「太らない体」を維持するためには?(撮影:今井康一)

史上最多の計8回の冬季オリンピック出場が確定した、スキージャンプ選手として20年以上のキャリアを持つ葛西紀明選手。41歳で自己最高の「個人銀メダル」を獲得し、45歳の今なお一線級の成績をマークする葛西選手は「レジェンド」と称され、国内にとどまらず海外でも尊敬を集めている。
その葛西選手が35年間「企業秘密」にしてきた「疲れない体」と「折れない心」のつくり方を余すことなく1冊にまとめた新刊『40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方』には何が書かれているのか。新刊の内容を再編集しながら、その極意を紹介していく。

スキージャンプにとって体重コントロールは死活問題


スキージャンプ選手にとって「体重コントロール」はとても大切になります。スキージャンプは「体重を1キロ落とせば、2メートル飛距離が伸びる」ともいわれる競技で、私も太らないように非常に気を遣っています。

1日に体重計に20回乗ることもありますし、脇腹を指でつまめば、およその体重がわかるようにもなりました。

しかし、スキージャンプの場合、痩せすぎてしまうと失格になり、試合に出場できなくなります。そのためスキージャンプの選手は、「痩せすぎず、太りすぎず」という体重コントロールに人一倍注意し、さまざまな工夫をこらしています。

私自身、40歳を過ぎると、いままでと同じような食べ物を同じだけ食べていたのに、太りやすくなりました。減量が必要なのは20代と同じですが、40代になって「いままで以上の工夫」をしないと体重が落ちにくくなりました。

みなさんの中にも、「若いころは食べても太りにくかったのに」「少しダイエットしたら、すぐ痩せたのに……」と思い、なかなか痩せられないことで悩んでいる人もいるかもしれません。

では、40歳を過ぎてから「太らない体」を維持するために、私はどのようなことをしているのか。私自身が実践していることの中で、一般の人でもすぐ日常でできる「7つの習慣」を紹介したいと思います。

「太らない体」を維持するために、私が「食事」面で意識しているのは、次のようなことです。

主食を「4分の1」減らしてみる

【1】まずは基本の「腹八分目」を心がける

「太らない体」にするために、まず基本中の基本ですが、食事を全体の7〜8割程度に減らす「腹八分目」を実践しました。やはり炭水化物を減らすと効果が大きいので、朝食のトースト2枚を1.5枚に、夕食のご飯2杯を1.5杯にと、「通常の4分の1だけ」減らしてみました。

最初はつらいものがありましたが、数日すると慣れてきます。また、「通常の4分の1減らすだけ」なので、無理なく続けることができました。

みなさんも、「通常の4分の1だけ」減らして「腹八分目」を心がけると、それだけも効果は大きいと思います。

【2】空腹を感じたら、まず「コーヒー」を1杯飲んでみる

私も減量期間中、空腹を感じることは多々あります。そんなときに実践しているのが「コーヒーダイエット」です。

やり方はとても簡単で、「お腹がすいたと思ったら、マグカップ1杯分のコーヒーをゆっくり飲んでみる」。これだけです。

ミルクや砂糖は入れず「ブラック」で飲みます。カロリーはゼロのはずですが、私の場合は、不思議とコーヒーを飲むことで空腹感がおさまるのです。

ぜひ、みなさんも一度、「空腹を感じたら、お菓子を食べる前にコーヒーを1杯」飲んでみてください。個人差があるかもしれませんが、私の場合は、空腹感を和らげる効果絶大です。

【3】「野菜たっぷりのスープ」を活用する

減量期間中は「コーヒーダイエット」のほかに「野菜スープ」にも助けられています。

はじめは妻が私の体力維持のためにつくってくれたのですが、野菜たっぷりでヘルシーなので、減量中の空腹時にもお腹を満たしてくれます。

スープに入れる野菜は、特別なものではなく、にんじんや玉ねぎやキャベツなど、手に入りやすくて冷蔵庫にありそうなものばかりです。

たっぷりの野菜と鶏肉やベーコンを入れて煮込めばすぐできます。時々スープの味を変えたり魔法瓶に入れて持ち歩くなどして、野菜スープを活用できれば、「太らない体」を維持するのが、ぐんとラクになると思います。

また、「お酒の飲み方」や「ストレス発散」についても、私なりに気をつけていることがあります。

「1.5日のご褒美デー」でストレス発散

【4】お酒を飲むときは、「ビタミンB1」が多いつまみと一緒に

私も飲み会に出席することがありますが、その際はなるべくカロリーの低いお酒を選ぶようにしています。私の場合は、ビールの代わりにワインを選ぶようにし、「人生のお供」と思えるほどのワイン好きです(もちろんシーズン中は節制しています)。

また、お酒を飲むときは、枝豆、ナッツ類、しらす干しなど、糖質を効率よくエネルギーに変えてくれる「ビタミンB1」が多いつまみをとるように注意しています。

もちろん深酒は厳禁ですが、我慢しすぎると「ドカ食い」ならぬ「ドカ飲み」を招きがちです。うまく付き合うことが、結果としてダイエットを長続きするコツだと思います。

【5】「週1.5日のご褒美デー」をつくる

「ダイエット」を続けていると、「好きなだけ食べたい」という思いからのストレスは、やはり出てきてしまいます。私も正直なところ、試合前の減量期間中は、食べ物のことがよく頭をよぎります。

そこで私の場合、日曜日が試合の場合、「試合が終わった日曜の夕食から、月曜の夕食までの4食は、好きなものを好きなだけ食べてもいい」ことにしています。この期間はトーストやご飯はもちろん、トンカツなども好きなだけ食べています。

1週間のうちに「1.5日のご褒美デー」をつくるからこそ、ほかの日の食事制限もストレスをためずにできていると思うのです。 

「食べ方」と合わせて、「ランニング」など体を動かすことも「太らない体」を維持するうえで効果的だと思います。

少しでも「汗をかく」と心も体も軽くなる

【6】「1日10分」体を動かす

年をとることで太りやすくなる大きな原因のひとつは「基礎代謝」が下がることですが、運動を続けることで代謝が上がり、脂肪を燃焼しやすい体に変わります。

もちろん無理をすると続かないので、「ランニングが厳しいな」と思ったときはウォーキングに切り替えていますし、「走りたくない」と思ったときは無理に走っていません。私も1年に3分の1は走らない日があります。

「毎日続けなくていい」「1日10分だけでいい」と思うと、体を動かすハードルもぐんと下がるのではないでしょうか。

【7】「体幹トレーニング」で体幹を鍛える

もうひとつ、これは「疲れない体」を維持するためでもありますが、姿勢を良くすることも心がけています。

姿勢が悪くなると代謝を下げる原因になり、それが「疲れやすい体」にも「太りやすい体」にもつながるからです。

私がいつもやっているのは、以前「40代でも『姿勢』は良くなる、寝る前3分改善法」で紹介した「体幹トレーニング」です。

寝る前の3分間でできる簡単な方法なので、みなさんもぜひ試してみてください。

40歳を過ぎると、食べ方も運動の仕方も「20代や30代と同じ方法」ではうまく結果が出ないことがあると思います。でも、だからといって、あきらめることはありません。

「40代だからできる方法」を上手に取り入れれば、40歳を過ぎても、20代、30代の以上の成果を出すことは十分可能です。

ぜひ「年齢に頼らない方法」を取り入れることで、「人生のピーク」を更新していってください。それは誰でも十分可能だと、私は確信しています。