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音楽出版社ってそんなにオイシイ!?

【PJ 2005年09月30日】− 音楽出版社というのを聞いたことがあるだろうか。音楽業界に身を置く人には無視できない、音楽著作権の半分を占める音楽出版権を管理する会社で、米国では禁止されているが、日本では放送局の子会社としての音楽出版社が幅を利かせている。最後の純粋音楽番組である「ミュージックステーション」のテレビ朝日には、テレビ朝日ミュージック。フジテレビはフジパシフィック音楽出版。TBSは日音。テレビ東京はテレビ東京ミュージック。皮肉なことにNHK以外はの在京キー局がすべて子会社に持っているのだ。東京の独立U局であるMXテレビでさえ、子会社エムエックス音楽出版を設立している。テレビ局とのタイアップをすれば、どのCDもたちまちミリオンヒットとなる時代では既になくなったものの、やはり未だにタイアップ効果は大きい。新人アーチストに対しては、テレビ局が出演やタイアップと引き換えに、出版権を要求するケースを公然と指摘する専門家も現れた。

 自社のホームページで「テレビが独占する音楽著作権利益の実態」として、テレビ局による著作権詐欺疑惑を指摘したのは、作曲家でJASRAC評議員も務める穂口雄右さん。穂口さんによれば「はたして音楽を大量に使用し、印税を支払う立場にあるテレビ局が、高額の印税を受取る音楽著作権管理会社(音楽出版社)を子会社とすることが許されるのか。これは著作権におけるの脱税システムではないのか。音楽出版社のあり方について再検討する時期だと思います」と主張している。

 実際にテレビ朝日ミュージックのホームページで自らタイアップと称して発表している楽曲を上から順番にJASRAC作品検索サービスで検索してみると、視聴率は振るわなかった「刑事部屋」の主題歌で清木場俊介さんの「さらなら愛しい人よ…」にはテレビ朝日ミュージックの名前があり、8月12日にはミュージックステーションにも出演を果たした。仮面ライダー響鬼や魔法戦隊マジレンジャーなど子供向け番組の主題歌も同様にテレビ朝日ミュージックが音楽出版者として登録されている。

 売れている歌手でさえも例外ではない。浜崎あゆみさんは自らも作詞、CREAの名前で作曲も手がけるが、テーマ曲などでタイアップされている楽曲の多くにテレビ局系の音楽出版社が名前を連ねる。出版者として登録されていれば、著作権料の半分を受け取れることを考えると、電波を背景にしたこんなにオイシイ商売はないだろう。

 さて、問題はどこにあるだろうか。やはり、穂口さんの指摘するように、売れていない若手アーチストの成長を阻害する要因になりかねない、ということだ。もちろん、音楽番組の視聴率が下がり、単体で儲けられなくなっていることが背景にあるにせよ、音楽出版権を取れることが選択肢に影響を与えているのだとすれば、私たちはますますテレビ局による音楽の選択を信じることはできなくなるだろう。さらに、彼らはアーチストが受け取れるべき収入を減らしているのだ。

 それを考えると、神奈川のローカル局TVKでの出演とタイアップからじわじわ人気が出て売れ始めたアコースティックギター・デュオDEPAPEPEのような広がりは、まだテレビ局の選択も信じられると思える最後の砦かも知れない。もちろん、音楽出版者にはどの会社も設定されていない。音楽を聴く行為は最後は個人の選択だ。この選択に少なからず影響を与えるテレビ局が自社の利益確保に奔走した結果、音楽番組が視聴者から支持を失ったと考えるのは、飛躍した考えだろうか。視聴者個人が聴きたい曲を先回りして発掘してくることがテレビ・メディアの使命であると信じたい。【了】

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 國分 裕之【 神奈川県 】
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