営業成績のいい人のトークや立居振舞を真似るのも自分のスキルを上げる一つの方法、などと言われますが、もちろんそのままコピーしたところですぐに成果が上がるというわけではありませんよね。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、真似るにあたってまず第一に理解しないといけない部分についてレクチャーしてくださっています。

真似る人の背景

「売っている人の真似をしましょう」という話をよく聞きますよね。実際に成果を上げてきた人たちの話でよく話題に上がりますし、私も以前からよく言っています。現に、真似をすることで、自分に無いものを吸収するとか、新しい発見があったりして、本当に成果につながりやすいことです。

しかし、これにも落とし穴はあります。背景を理解せずに真似してしまうと、失敗してしまうからです。

例えば、お客様とタメ口で会話をするのにめちゃくちゃ売る人がいます。そういう人を真似しようとして、ただ単に「タメ口で会話をする」という部分だけを抜き取って真似をすると、大変なことになります。

その売っている人は、当然、お客様とそんな会話ができる関係づくりをしていますし、あえてそんなキャラ作りをしていることもあるでしょう。普通ではありえないタメ口トークができるような背景があるわけです。

にも関わらず、その背景を理解しないままタメ口という部分だけを真似すれば、当たり前のようにお客様に不快な思いをさせてしまいます。提案の仕方もそうですし、質問の仕方もそうです。全ての部分には背景があるので、そこをきちんと見て、理解してから、真似をするならするということですね。

では、そういった背景を理解するには、どうすればいいのでしょうか。これは、センスによる部分が大きいのですが、センスだけで片付けてしまっては、何のための販売力向上講座だという話になるので、2つほどコツをお伝えします。

まずは、真似をする対象(売っている人)の接客を受けることです。普通にお客様としてでもいいですし、同じ職場の方なら、ロールプレイングなどで接客してもらうのも一つの手でしょう。そうすることで、真似したいと思う部分がどんな風に実践されているのかを身をもって体感することができます。

体感ができれば、いきなりタメ口にはなっていなくて、どこかのポイントで親しくなっているんだなとか、こんな質問をしているから、ああいう提案ができるんだなとか、背景まで見えるようになってきます。

そしてもう一つは、自分も練習すること。これこそ、ロールプレイングなのですが、実際のお客様ではなくて、同僚や家族などにお願いして、練習をすればいいんです。そうすれば、生のお客様の声をノーリスクで聞けるわけですから、どこが良いか悪いかがわかります。引いては、背景の理解につながってくるのです。

これをしないまま、いきなりお客様を練習台にしてしまうと、先述したようにお客様を不快にさせてしまう可能性が高くなります。

自分にうまく真似できるセンスがあるならそのままやってもいいかもしれませんが、自信を持ってそう言える人は稀でしょう。だったら、まずは上記の2つをやってみて、そこから吸収していけばいいだけです。

今日のおさらいです。

真似をするなら、背景まで理解してやる。

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