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●「d払い」とは

NTTドコモは17日、2018年4月より新たな決済サービス「d払い」を提供すると発表した。これまでネットショップなどオンラインでの利用に制限されていた電話料金合算払い(ドコモのケータイ払い)がリアル店舗でも使用可能になる。とりわけドコモ契約者の利便性を高めたサービスとなるが、キャッシュレス化は進むだろうか。

○d払いとは

「d払い」はスマーフォンアプリを利用して、d払い加盟店においてキャッシュレスでの買い物ができるサービスだ。使い方は次のような流れとなる。

店員が商品のバーコードを読み取る。次に利用者が「d払い」アプリの画面を提示する。画面にはバーコードとQRコードが表示されており、店員がそれを決済端末で読み込む。これで決済が完了する。支払いは電話料金合算払い(ドコモのケータイ払い)ほか、クレジットカードにも対応する。

注目したいのは、電話料金合算払いの部分だ。これまで、電話料金合算払いはオンラインでの利用に制限されていたが、d払いではリアル店舗での利用が可能となる。電話料金合算払いでは、銀行引き落としによる支払方法を選択する人もおり、クレジットカードの利用に強い抵抗感を抱く人向けのスマートな決済方法になると言えそうだ。

電話料金合算払いはドコモ契約者の向けのサービスとなるが、クレジットカードでの支払いも用意されており、他のキャリアを利用していても本サービスを利用することができる。ある意味、クレジット決済を前提に考えれば、「iD」の利用といった従来法とさして変わらない面が大きい。

そういう側面がありつつも、NTTドコモの執行役員 プラットフォームビジネス推進部長の前田義晃氏は「クレジットカードでは敬遠されがち。今まで敬遠されてきた方々にも受け入れてもらえるのでは」と今回の狙いについて語る。

しかし、ドコモの決済サービスに詳しい人だと、さらなるツッコミが出る。ドコモにはすでに電話料金合算払いが可能かつ「iD」マークのあるリアル店舗で使える「dカード mini」があるからだ。

●普及にはまずはインフラ整備から

○ドコモの狙いはどこに?

そこを考慮すると「d払い」は今までにないユーザーメリットを提供するものではない。ユーザーへの新たな選択肢を用意し、キャッシュレス化の普及とユーザーの利便性を高めるというところに主眼が置かれたサービスとなる。一部サービス内容が重複使用しようとも、ドコモ側に大きなメリットがあったとも見ることができそうだ。

ドコモにとっての旨みは、決済に伴う手数料収入だ。この手数料収入は利用回数が増えるほど増えていく。利用の増加には導入店舗を増やす必要があり、店舗側に決済端末を用意しなければならない。

この点において、今回のサービスでは、コストのかかる決済端末の導入がなくとも幅広く対応できるようになったというのもクローズアップすべきポイントだ。導入コストの低下により、サービスの普及が見込みやすいのだ。「d払い」ではバーコード、QRコードが読み取れれば、決済処理が行なえる。店舗側の設備負担が少ないというわけである。

店舗側にもメリットはある。たとえばコンビニ。発表会に登壇したローソン執行役員 マーケティング本部長の野辺一也氏によると、早朝や昼時など込み合う時間帯では、レジ前に人が並んでしまうという。キャッシュレス化を進めることで、作業はスムーズになり、込み合うことによる売上逸失を回避することもできるとする。

ローソンではこれまでもキャッシュレス化に取り組んできたものの現金払いは全体の8割とまだまだ多く、d払いのようなキャッシュレス化に対する期待は大きいようだ。

○購買履歴の活用という旨み

ドコモにとっての狙いはもうひとつある。それは購買履歴の有効活用だ。これからはデータの利活用がビジネスを大きく左右する要素となりそうだが、ドコモは利用者の承諾を取ったうえで、すでにこうしたデータの活用を進めている。

具体的には、個々に応じた商品リコメンドや、ある一定の条件、たとえば「30代男性で商品Aを購入した人」などといった条件をもとに、対象者をピックアップしマーケティング施策を打つなどといったものだ。

ドコモでは決済情報に限らず、様々な生活サービスを提供しており、そうしたデータも活用することで、精緻なマーケティングに生かしていくことも可能だという。今回の取り組みは、扱えるデータの量を増やし、こうしたビジネス上のメリットも大きく見えてくる。

ビジネスメリットを最大化するには、まずは加盟店を増やすことが先決。現在ローソン、マツモトキヨシなど10社19000店での取り扱いを予定しており、想起に10万店以上の展開を目指していくという。キャッシュレス化を進めるにはまずはインフラの整備から。その障壁を減らしたのが今回のサービスとなるが、利用加盟店を増やすには他のサービスとの手数料率の差にも目を向けていく必要があるだろう。

後は利用者が増えるか、である。利用者の立場に立てば、「iD」との違いがわかりにくいといった側面も気になるが、ユーザーに対してどれだけポイント付与率など魅力に見せられるかにもかかっていく(ポイントは加盟店手数料にオンされ最終的にはこの部分の舵取りが重要なようだ)。果たして、目算どおりに普及していくだろうか。