ジョコビッチ、選手の私的会合を認めるも「ボイコットの話はなかった」と否定

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ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、賞金を巡って男子トップ選手が今後のグランドスラムをボイコットする可能性があるという報道を否定したものの、「ATPツアー」にまつわる問題を話し合うために、選手達が「全豪オープン」前夜に集まって私的会合を開いたことは認めた。

ATP選手協議会会長のジョコビッチは、会合で話し合われた議題については特定しなかったものの「『トーナメントが上げる収益のより多くが選手に分配されるようにするため、テニス選手の組合を結成しよう』と提案した」という報道は、誇張しているか、あるいは極めて不正確だと述べた。

「皆さんが僕のことを、非常に欲張りで、もっと金を要求し、ボイコットしたがっている人間であるかのように報じたのを見た」と、ジョコビッチは火曜日の1回戦でドナルド・ヤング(アメリカ)に勝利した後の記者会見で語った。「僕達選手は、いろんな話題について話し合いたかっただけだ。なにも悪いことはないと思う」。

ほとんどの選手は、会合でなにが話し合われたかを明かしたがらなかったものの、協議会副会長のケビン・アンダーソン(南アフリカ共和国)は月曜日にイギリスの報道機関に対して、賞金についての話も出たと語った。

今シーズン最初のメジャー大会で男子のトップ選手全員が顔を揃えた会合では、世界ランク4位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)とジョコビッチがほとんど話をしていた。

「話題が出たのは初めてだったから (この件について) 僕には特定の立場はない。みんなが耳を傾けた。それだけのことだ」。

会合について月曜日に最初に報じた『デイリー・メール』紙によると、ジョコビッチは、選手以外の人々に部屋から出ていくように促した後に、オーストラリア人弁護士を伴って、選手組合の結成について壇上で長々とスピーチをしたという。

しかしジョコビッチは火曜日、弁護士が同席したこともなければ、男女の同一賞金額に関する話題を持ちだしたこともなく、選手の要求が通らなかった場合はグランドスラムをボイコットする可能性があると言った事実もないと述べた。

「皆さんは先走ろうとしている」と、右肘の怪我による半年間の休養から復帰したばかりのジョコビッチは指摘した。「僕達がしかるべき報酬を得るために、選手組合を結成したり、ボイコットしたり、極端な決定を下そうとしたりしていると、皆さんは噂しているようだ。しかし、そういった話はなかった」。

今年の「全豪オープン」の賞金は2017年から10パーセント増の5500万豪ドル (4200万米ドル) に達した。男女シングルスの優勝賞金は400万豪ドル (300万米ドル) で、1回戦敗退者は6万豪ドル (45,700米ドル)を手にする。

テニス界のトップ選手はグランドスラムでより多く稼ぐものの、下部のチャレンジャー・ツアーを主戦場とする、メジャー大会の出場権を自動的に獲得することのできない100位以下の選手の懐事情は厳しい。

ロジャー・フェデラー(スイス)がATP協議会会長だった6年前、賞金を劇的に増加させるように男子のトップ選手がグランドスラム大会側に圧力をかけ、大会側はその要求に応じた。2013年の「全豪オープン」の賞金総額は大幅にアップし、特に早期敗退者の賞金が跳ね上がった。1回戦敗退者のその年の賞金は前年の32パーセント増の27,600豪ドルとなった。

今年の「全豪オープン」の出場選手は、選手組合の結成について口を閉ざしたものの、現役選手以外のテニス関係者がソーシャルメディアで議論に加わった。元世界ランク1位のアンディ・ロディックは「待ちかねたグッドアイデアだ」とツイートし、アンディ・マレー(イギリス)の母親、ジュディは「大賛成」と述べた。

「男女両方を代表する連合組合はどう? そうすればグランドスラムとATP/WTA共催大会に対して、もっとプレッシャーをかけられるでしょう。力を合わせたほうが有利」と彼女は書いている。

ジョコビッチは、賞金に関する問題ではテニスは正しい方向に向かっているものの、すべきことはまだあるという認識を示した。

「僕は協議会の一員だが、こういった交渉のテーブルにはついていない」とジョコビッチは語った。「協議会のメンバーでいられることや、現在の、そして未来の、より良いテニスに貢献できることを、ただただ嬉しく思っている」。

(C)AP(テニスデイリー編集部)

※写真は「全豪オープン」大会3日目、練習中のノバク・ジョコビッチ
(Photo by James D. Morgan/Getty Images)