完成予想図。(画像: ルーマニア道路インフラ公社より)

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 IHIは17日、グループ会社のIHIインフラシステムがイタリアの建設会社Astaldi社と共同で、ルーマニア道路インフラ公社からブレイラ橋の建設工事を受注したと発表。ルーマニア東部の主要都市ブレイラに接するドナウ川にかかり、市とその対岸をつなぐ大きな吊橋だ。完成すれば同国最長の吊橋となる見込み。

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 ブレイラ橋のメインケーブルを支える主塔間の距離、中央径間は1,120mで、この長さはEU域内でも3番目。加えてアプローチ高架橋と接続道路を含む総延長約23kmの設計、建設を一括して請け負う。

 南東欧地域で最も大きな国土面積をもつルーマニアでは、EU加盟後国内の道路インフラ整備が最優先に取り組まれてきた。この度の案件はそのインフラ整備プロジェクトの1つとされており、EUが地域内格差是正のために組むEU地域政策予算が活用されている。

 ドナウ川はドイツの源流から東欧諸国を経て黒海に注ぐヨーロッパで2番目に長い大河だ。その全長は2,800kmを超え、流域の比率はルーマニア内において特に高い。

 現状ブレイラ市と対岸の間を移動する際は100km以上の距離がある迂回路や船の利用に頼っているが、吊橋が建設されればドナウ川の行き来は容易になり、交通の利便性は大幅に上昇するという。

 さらに橋の接続道路は既に存在する高速道路につながるので、ルーマニア最大のコンスタンツァ港とルーマニア東部地域の間の貨物流通を効率化させ、EU域内の経済を活性化させる効果も期待されている。

 日本は1990年代からルーマニアに技術や資金による経済協力を始めており、港湾、道路の整備や鉄道建設などに協力してきた。またIHIインフラシステムは大型橋梁建設において豊富な経験と実績がある。近年もベトナム、トルコなど各国の工事に携わってきた。それらが評価された結果、今回の案件受注に至ったとみられる。