専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第138回

 先日、大御所の集まるコンペに参加したのですが、一緒の組になったみなさんが70歳以上の大先輩ばかりでした。おかげで、終始ペコペコと周囲に気を使ってばかりいました……。

 先輩方の中には、年に50回もラウンドしている方もいて、どんなプレーをするのか、チラチラと見ていました。さすが、みなさん手慣れたもので、なかなかいい当たりをしています。

 しかし、そのコンペで回ったコースは距離が結構長かったんですね。400ヤード超えのミドルホールなんてざらにありましたから。

 私にとっては、ミドルホールなら3オンでちょうどいい感じで、それでパーオン扱いといったところでしょうか。そうなると、長いミドルホールなんて、先輩方にとっては4オンでパーオン扱いになります。

 結果、みなさん、ダボとトリプルのオンパレード。110ぐらいは叩いていましたかねぇ。

 歴戦の猛者たちですが、さすがに年齢には勝てません。毎回、私がドラコン状態で、「飛びますねぇ〜」と言われて、恐縮するばかりでした。仲間内じゃあ、一番飛ばないのに、70歳以上のグループの中で「飛ばし屋」と言われても……かなり恥ずかしかったです。

 その70歳グループの先輩方が持っていたドライバーですが、古いものもあり、新しいものもありでしたが、決して高反発系のドライバーは持っていないんですよね。あれを使えば、もっと飛距離が伸びると思うのですけど。

 みなさん、お金もそこそこ持っています。”魔法のクラブ”なんか、すぐに買えるのに……。それで「何でかなぁ〜」と思いながら、先輩方のプレーを見ていると、あることに気づいたのです。

 みなさん、バブル以前の、厳しいゴルフ環境で育っているものだから、非常にパンクチュアルなプレーをするのです。「OKはグリップの長さまで」とか、「打った跡は目土をするのは当然」とか、「ボールを見失ったら、みんなで探そう」とか、「バンカーショットのあとは、レーキで丁寧にならす」とかね。

 気遣いはキャディーさんにまで及んで、「はいはい、キャディーさん、ドリンクは何を飲む?」と、熟女パブにいるような振る舞いをするのです。

 ルール&マナーに厳しいのはもちろん、周囲への気配りがものすごいのです。

 昔のアマチュアゴルファーは、貴乃花親方の理論で言えば、「道」を極めるガチンコプレーです。文字どおり「ゴルフ道」を実践してきた諸先輩たちゆえ、ひとりだけ高反発クラブを使うなんて、シャ乱Qも顔負けの”ずるい男”となってしまうのです。

 もちろん、軽めのニギリをやっているでしょうから、”飛び道具”を使うわけにはいかない、という事情もありますよね。

 さりとて、昭和のアマチュアゴルファーはどんなに飛ばなくても、決して”シニアティー”では打ちません。ひとりだけシニアティーで打つことが屈辱なのです。

 シニアティーで打つくらいなら、ゴルフをやめたほうがいい――そう思っているシニアプレーヤーは、98%ぐらいいるんじゃないですか。

 そもそもシニアティーで打っているお年寄りなんて、ほとんど見たことがないですから。

 というわけで、日頃から高反発クラブを推奨している私ですが、なんで高反発クラブが普及しないのか、少しわかったような気がしました。

 じゃあ、どうしたら高反発クラブを普及させられるのか?

 みんなが打ちやすい環境を整備し、高反発クラブを使用しても卑怯者じゃなくなればいいのです。

 その具体的なプランを提示します。

(1)コンペで「高反発クラブ使用可能」と一文を添える

 新しいドライバーをお披露目すると、「いいなぁ〜、ちょっと打たせてよ」となりますが、高反発ドライバーをこれみよがしに見せると、反応はさまざまです。

「オレも欲しかったんだ」という人もいますが、逆に怒り出す人もいます。「そんなのはゴルフじゃない」「ずるい人とはニギリません」みたいな扱いを受ける場合もあります。

 じゃあ、どうすればいいのか?

 コンペの案内欄に、ルールやマナーを書いていますよね。「本日はOKあり。スルーザグリーン、6インチリプレースでお願いします」とか。そこに細則として、「このコンペは高反発クラブ使用可能です」と加えればいいのです。

 もちろん、プライベートのコンペですから、最初から高反発クラブを使っても何ら問題ありません。だけど、精神的な抵抗がある。そこで、「錦の御旗」よろしく、コンペの幹事がお墨付きを与えればいいのです。

 さすれば、嫌みを言われることもないでしょう。むしろ、「時代は変わったんだ」「徳川から薩長への転換期だ」「日本刀で戦った新撰組が懐かしい」「ここは新時代だから、オレのガトリング砲をぶっ放すとするか」と、まあ、こうなるわけです。



ゴルフの大先輩方が「誠」を大事にされる気持ちもわかりますが......

(2)ゴルフ場に「高反発クラブ利用可能」と掲示させる

 コンペで高反発クラブ使用可のお墨付きが出たら、今度はゴルフ場に認めさせましょう。現に、今は高反発クラブをゴルフ場で使っても構わないのですから。

 でも、それは”黙認”です。本来、カントリー倶楽部は「JGA(日本ゴルフ協会)ルールに則ってプレーされたし」となっているので、気分的には面白くないのです。

 そこを何とか、新しいお客さんを開拓し、飛ばなくなったシニア層を取り込むために、公に「高反発クラブを使ってよろしい」と、お触れを出していただきたいのです。

 場内の掲示板などに、「当ゴルフ場では、プライベートラウンドで高反発クラブの使用を認めます」とね。あるいは、「ビジター客の高反発クラブの使用を認めます」でもいいです。

 今から10年以上も前に、ゴルフクラブの低反発規制が行なわれ、すべてのクラブが低反発系の飛ばないクラブになりました。これも不思議な話でねぇ、月例などの競技に出ない人もみんな、低反発クラブを使ってプレーして、「高反発クラブは違反だ」とか言うし。こっちは、日本オープンに出ているわけじゃないんですよ。

 でも、これがまた、高反発クラブブームが起きれば、100万本単位でクラブが売れるかもしれない。大きなビジネスチャンスの到来なのです。

(3)クラブ競技で高反発クラブを使用可能にする

 千葉県のマグレガーカントリークラブでは、月例競技などで高反発クラブの使用を認めています。ハンディキャップは、さすがにJGAとはいかず、クラブハンデの域を出ませんが、メンバーさんからは好評なようです。

 クラブ競技も、ハンデ戦なら高反発クラブの使用もありですよ。日本のゴルフ場のメンバーさんの平均年齢は、60歳近いんですよ。そこを考慮してあげないといけませんよね。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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