食べ物を変えると、脳も変わる!2017年11月に刊行され、早くも重版の決まった『脳にいい食事大全』。栄養コンサルタントのミシェル・ショーフロ・クックによる「脳のパフォーマンスを最大化するスーパーフード」を連載形式で紹介していきます。

リンゴジュースは脳の機能低下を防ぐ

1日1個のリンゴや1杯のジュースは、重要な脳内ホルモンの分泌を促し、脳の健康を高める。

「1日1個のリンゴは医者いらず」ということわざを耳にしたことがある人は多いはずだ。これは、リンゴがオーガニックなものであれば、脳の健康に関しては文字通りに真実だ。

『American Journal of Alzheimerʼs Disease & Other Dementias』誌に掲載された研究によれば、毎日4オンス(約120cc)のリンゴジュースを2杯飲んだアルツハイマー病患者(重篤度=中〜高)は、攻撃性、不安、妄想が27%減少した。『Journal of Nutrition,Health & Aging』誌に掲載された研究によれば、リンゴジュースの日常的な摂取には、脳の機能低下を促す不健康な食生活や遺伝的欠陥を補う効果がある。

『Journal of Alzheimerʼs Disease』誌に掲載された研究によれば、動物の食事にリンゴジュースの濃縮物を加えたところ、フリーラジカルによる悪影響と、アルツハイマー病に一般的な認知機能の低下を防ぐ効果がみられた。同じく、動物が健康なアセチルコリンのレベルを維持するのにも役立った(食事にリンゴジュースの濃縮物を加えていない動物では、アセチルコリンのレベルが減少した)。アセチルコリンは、脳と神経細胞のコミュニケーションを助ける、一般的な神経伝達物質だ。

コレステロール値をリンゴで下げる

リンゴとリンゴジュースはさらに、コレステロールのレベルを適切に保ち、脳卒中を予防することで、脳の健康を維持する働きをする。イギリス、オックスフォード大学の研究者は、50歳以上の成人を対象に、1日1個のリンゴを食べることと、スタチン系薬剤(コレステロール値を下げるために使用される)を服用することの効果を比較した。

英医学会会報に掲載されたこの研究の結果によれば、1日1個のリンゴを食べることは、スタチン系薬剤を服用することと同程度の、脳卒中や心臓発作による死亡率を低下させる効果がみられた。
同研究は、50歳以上のイギリス国民の7割が毎日1個のリンゴを食べれば、心臓発作や脳卒中で命を落とす人を毎年8500人も減らすことができ、同じく50歳以上のイギリス国民の9割が毎日1個のリンゴを食べれば、毎年1万1000人の命を救えると試算している。

なにより、リンゴにはスタチン系薬剤のような副作用はない。同研究は、「1日1個のリンゴと1日1錠のスタチンは、同じくらい医者いらずの効果がある」と結論づけた。そして、「150年前のことわざは、現代医学と同じ効果をもたらし、かつ副作用もない」と付け加えている。

さらに、最近の研究によれば、リンゴ酢を食事に加えることで、脳卒中のリスクを増大させる高コレステロール値を下げられる。『Journal of Membrane Biology』誌に掲載された研究によれば、高コレステロール食と併せてリンゴ酢を与えた動物は、高コレステロール食だけを与えた動物に比べて、高コレステロール食による身体への悪影響が低下した。

リンゴは天然のファストフードだ。簡単に手に入り、さっと洗うだけですぐに食べられ、脳力アップや脳疾患予防などのメリットを得られる。昼食にリンゴを加えるのもいいし、休憩中に小腹が空いたときに食べたり、甘いものが欲しいときにおやつ代わりにしたりするのもいい。焼き菓子をつくるときには、砂糖の量を減らすためにアップルソースを使える。リンゴ酢とオリーブオイル、塩、ハーブをブレンドすれば、美味しくて栄養価の高いサラダドレッシングになる。

リンゴ酢を使って減量する

1日1個のリンゴは心臓病のリスクも減らす。リンゴ、リンゴジュース、リンゴ酢にはクロロゲン酸という栄養素が含まれている。『Biochemical Pharmacology』誌によれば、クロロゲン酸はLDLコレステロール(悪玉コレステロールとも呼ばれる)の酸化を防ぐ(酸化は心臓病の進行を促す)。リンゴ酢の日常的な摂取は減量にも効果がある。『European Journal of Clinical Nutrition』誌の調査によると、リンゴ酢には食欲を抑えカロリー摂取量を200〜275キロカロリーも減らす効果がある。『Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry』誌に掲載された研究によれば、リンゴ酢は肥満体型の人の減量に役立つ。