阪神・淡路大震災の現場指揮官として活躍した無料メルマガ『心のビタミン』の著者で、元陸上自衛隊陸将補の作家・池田整治さん。池田さんはあの日から23年を経た今、いざ大地震に遭っても生き延びられるよう「3・3・3の原則」を紹介するとともに、防災のポイントをプロの目線でわかりやすく解説しています。

サバイバルのための「3・3・3の原則」

阪神淡路大震災から23回目の1月17日が来ました。この時から列島は、中央構造線等の地殻変動期に入ったと思われます。東日本大震災に続き、北海道沖大地震、南海トラフ地震、富士山噴火等を経て、やがて落ち着くと見込まれます。

来る来ないを心配するよりも、いつ来てもいいように準備をすることが大切です。今は、産軍複合体の金儲けの仕掛けである北朝鮮ミサイル危機にうつつを抜かすよりも、来るべく大地震にできうる限りの対策を、個人レベルからとっておくべき時になったと、私は考えます。

その意味で、万一のために、私が提唱している「3・3・3の原則」を再度紹介したいと思います。

防災3・3・3の原則

大地震が発生した場合の行動のポイント、それは私の経験からすると、まずは自己責任で身を守り、「30秒、3分、3日」のポイントを踏まえて、行動することが大切です。

1.激しい揺れの30秒(自己責任)

地震の最大の揺れは30秒続きます。30秒間は、自分のことだけで精一杯です。この間は、自分で確実に生きることを考えましょう。この30秒間はあくまでも自己責任の範囲なのだと心得てください。

とくに就寝中は動けませんから、いつもタンスの前を避けて寝るようにする。タンスはあらかじめ耐震金具でしっかり留めておく。一軒家ならばできるだけ2階で寝るなど、ちょっとした習慣が生死を分けることになります。

2.3分で確実に生き延びる処置(家族責任)

最初の30秒間を生き残ったら、次の3分以内にすべきことがあります。それは家族を助けること、家族責任です。まず、ガスなど火の元を断ち、安全な場所に移動します。

普段から家族で話し合って避難場所を決めておくことも大切です。海岸線地域に住んでいる人は、あらかじめ決めている50メートル以上の高台に急いで避難します。高台がない場合は、考えるよりも海岸線から10キロメートル内陸部に即移動することです。

路面はガラスだらけと想定し、普段からスニーカー、運動靴を取り出せるようにしておくことも大切です。

3.3日のサバイバル(隣組責任)

次に、3日間のサバイバルです。3日間何とか生き残ることが出来れば、レスキュー、自衛隊が援助に来ます。それまでの間を生き延びるのです。この間、お隣、近所同士で助け合うことも必要です。隣組責任です。普段からお隣のおばあちゃんが、家のどこに寝ているのかを教え合うような温かい人間関係を築いていれば、非常事態に役に立ちます。

瓦礫の山でどこに住民が埋もれているかわからないようなケースの場合、一軒一軒声をかけて捜索するよりも、住宅構造や家族関係を熟知するお隣の「あのお年寄りはいつも南の部屋で休んでいる」というような情報があれば、素早く探し当てることができるのです。実際にこのような些細な情報が役立ち、いのちを助けられた例がいくつもあるのです。

4.3週間で自立準備

避難所生活を送ることになった場合、積極的な「活動」が自立へのきっかけとなります。トイレ掃除、荷物の運搬など積極的なボランティア活動が、共同生活を和ませ自立への準備となります。

5.3ヶ月で集団生活からの自立

3ヶ月の時間軸では、人生の再出発を考えましょう。避難所を出て「新たな人生」に向かうのです。人生は多生の縁。どんな所でもどんな職でも楽しく生きれば、過去は、つまり人生はハッピーエンドになります。

image by: 陸上自衛隊 Japan Ground Self-Defense Force - Home | Facebook

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