最近ではペットのためのお墓も増えてきています(写真:Fuchsia / PIXTA)

街中を歩くと至るところで犬と散歩する人々と出会う。

一般社団法人ペットフード協会の調査では日本の犬の飼育頭数は987万8000頭、猫は984万7000頭で、合わせて1972万5000頭もいる(2016年調査)。少子高齢化や核家族化の進展もあり、ペットを家族の一員と思う人は確実に増えている。人間同様ペットも長寿になっており、同調査では犬の平均寿命は14.36歳、猫の平均寿命は15.04歳だという。

死は必ず訪れる。

そのときにどうするかは重要な課題だろう。また、捨て犬猫、野良犬猫のエサやりによる繁殖、多頭飼育も問題となっており、所有者不明あるいは所有者不在の犬猫も社会問題化しているため、死んだ場合の対応も課題だ。

法律上はどのような扱いなのか? 

廃棄物処理法第2条第1項は、「この法律において『廃棄物』とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、……廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの……をいう」と規定している。したがって、自治体が動物の死体の処理をする場合は「廃棄物」扱いが基本だ。

ゴミ収集を行っている市区町村はどのように扱っているのだろうか。

まず、私有地ではない一般道等に動物の死体がある場合は、清掃部局に連絡すれば引き取ってくれることがほとんどだ。ただし、国道なら国交省の地域事務所、都道・県道等なら都・県等の地域事務所となる。いわゆる野良犬・野良猫が私有地で死んでいる場合の対応はバラバラだ。一般道同様に回収に来るところ、料金を取って引き取るところ、土地の所有者自らが民間業者等に依頼しなければならないところなどさまざまだ。

回収あるいは引き取った後の処分もさまざまだ。ゴミと一緒に焼却するところ、ゴミ焼却施設に動物専用の焼却施設のあるところ、収集したあと、動物専門の焼却施設や寺院に持ち込むところなどだ。

一方、ペットはどうだろか。ペットが死んでしまったあとの処理については、主に次の方法が行われている。

飼い主が自ら処理(自己所有地への埋葬等)
飼い主が地方公共団体(清掃局等)へ処理依頼(焼却)
飼い主が民間事業者又は寺院等へ処理依頼(火葬・埋葬等)

広い一軒家に住んでいれば、,亮分の家の庭に埋葬することも可能であろう(公園などに埋葬すると廃棄物処理法・軽犯罪法違反)。しかしこれが可能な飼い主は都市化が進んだ現状では少ないと思われる。

△亮治体への依頼については、公道上での処理と同じであるが、基本はなどの方法を飼い主が検討し、それが無理な場合には有料で引き取りまたは回収するという自治体が多い。

処理については前述のように自治体によってまちまちで、他のゴミと一緒に焼却されるのであれば、ためらう飼い主も多いだろう。一部の自治体だが、燃えるゴミとして指定の袋に入れて犬猫の死体を捨ててよいところもあり、そうした自治体は一般の燃えるゴミとして焼却している。

最近増えているのはの動物専門の火葬・埋葬業や寺院である。ペットを家族として弔いたいという飼い主の感情の高まりとともに各地でこうした民間施設が多くできている。

火葬は施設で行う場合と、火葬車が自宅に来て行う場合がある。また合同火葬と個別火葬があり、後者の方が料金は高いが、遺骨の引き取りが可能だ。ただし、こうした施設は埋葬法、動物愛護法、廃棄物処理法などの法律の対象外のため、消費者トラブルや火葬場設置をめぐる住民トラブルもある。

世間を驚かせたのは、2010年の埼玉県飯能市における動物死体の不法投棄だ。飼い主から預かった約100匹のペットの死体を動物葬祭業を営む71歳の男性が火葬及び返骨等の処理を適正に行わずに飯能市の山中・正丸峠付近に投棄した事件だ。

ゴミと同じ扱いは避ける方向に

前述のように動物の死体は、法律上は廃棄物扱いなので、ゴミとして焼却しても問題はない。だが、動物愛護管理法が第2条において「動物が命あるものであることにかんがみ……適正に取り扱うようにしなければならない」としていること、また近年の人びとの動物、特に犬猫に対する感情への配慮から行政でもゴミと同じ扱いを避ける方向にあると言える。

しかし、生活を共にしてきたペットを弔いたいという飼い主の気持ちに行政の対応では追い付かず、ペット専門の火葬・埋葬業や寺院を増やす結果になっている。

数多くの業者が参入する中で、現在では悪質なペット火葬業者やペット霊園が存在する問題も表面化している。訪問火葬業者や霊園業者が加盟する業界団体などでは業界の健全化に取り組んでいたり、条例を定めたりしている自治体もあるが、抜本的な解決には至っていない現状のようだ。

動物愛護法が動物が死んでからのことを想定していないため、火葬・埋葬業者の同法での規制ができないのが現状であり、改正論議の論点になっている。

動物と人間の関係は単純ではない。家族同様に大事にされ、死んだあとも丁寧に弔われるペットがいる一方で、そうでない動物が大量に存在するのが現代消費社会だ。

商品として買ってもらえなかったペットショップの犬猫たちのその後のことや、ペットフードになる家畜についてはペット愛好家でも無関心なことが多い。人間に愛されなかった動物のことも考えていく必要があるだろう。