ベトナムでクレジットカード払い。ここにご注意!

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近年、急速に利用範囲が広がったベトナムのクレジットカード。日本のクレジットカードよりも進んでいる面も。日本で15年間の編集者生活を送った後、ベトナムに渡って起業した中安さんによるベトナムレポートです。

 ベトナムでもクレジットカードが急速に普及している。

「タクシー料金がクレジットカードで支払えるようになった」と聞いたのは、4年ほど前だっただろうか。私は普段、バイクで移動しており、タクシーに乗ることはほとんどない。日本からのお客様をタクシーで送迎したときに、好機到来とばかりにカード払いを試してみた。

 運転手は慣れた手つきでカードリーダーを操作し、何の支障もなく支払いが完了。拍子抜けするほどスムーズだった。それまでもクレジットカードを使った経験はあったが、「ああ、タクシーでも使えるようになったのか。本当に普及が進んでいるのだな」と感慨深かったのを覚えている。

 今や、海外からの旅行者が利用するホテルや高級レストランはもちろん、もっぱらベトナム人しか行かないようなスーパー、下町のコンビニ、小さなカフェでも、使えるから驚きだ。
 
 日本からの旅行者・出張者の方も、最近は「現金は極力少なく。基本はカード払いで」という人が増えた。地方はともかく、都市部であれば、現金をほとんど使わずに過ごすことが可能だ。

 しかしカードが普及すると共に、トラブルも増えてきている。今回は、私の回りで発生した事例を紹介したい。

事例1:カードが使えると思ったのに、使えない

 Aさんがホーチミン市を散策中、レストランのガラスドアにかかっている「Welcome」と書かれたボードに、自分が持っているクレジットカードのロゴがあるのが目に入った。ちょうどお昼時だったので「ああ、ここは私のカードも使えるんだ」と思って入店。食事が終わって支払いをするときに、クレジットカードを差し出すと、「現金のみです」と言われてしまった。
 
 驚いて「表のドアにこのクレジットカードのボードがあるんですが」と指差したところ、お店の人は澄ました顔で「ああ、あれは単なる飾りですから」。

 これには2つの解釈が成り立つ。1つは、お店の人が、どこかでクレジットカードのボードを手に入れて「これは便利」と使っている場合だ。もう1つは、お店がかつてはクレジットカードの加盟店だったが、契約を解除後も、ボードを返却せずに使い続けている場合である。いずれにしても、クレジットカードのロゴがあっても、それを100パーセント信用しないほうがいいだろう。

事例2:クレジットカードとバンクカードを混同

 Bさんが、ホーチミン市内のドンコイ通りでお土産物屋に入ったときのことである。
「クレジットカードは使えますか?」
と尋ねると、お店の人は自信満々で、
「当店では、主要なカードはすべてお使い頂けます」
と胸を張った。

 それでも念のために、
「JCBはどうですか?」
と確認すると、お店の人は「それは何ですか?」。そこで、どんなカードが使えるのか、重ねて尋ねると、お店の人は、
「ベトコムバンク、BIDVバンク……」
など、銀行名を並べ始めた。クレジットカードと、バンクカードの区別がついていなかったのだ。

 確かにバンクカードでも、デビット機能がついていて支払いに使える。Bさんは旅行者で、残念ながら当地の銀行のカードは持っていない。結局、現金払いを選択した。

 こういう例は減ってきているものの、日本に比べると、まだカード文化は歴史が浅いので、思わぬ反応が返って来ることがある。

 私の知り合いが、ダイナースクラブカードを提示したら「当店では、この割引カードには加盟していません」と言われたそうだ。逆の例もある。ホーチミン日本商工会では、加盟店で各種割引が受けられる特典カードを発行している。それを提示したところ、店員さんが、首をかしげながら、クレジットカード読み取り機に通していた。

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