今回のビジネス女子マナーは、金融関連会社勤務の並木るみ子さん(仮名・28歳)からの相談です。

「女性部下へのあたりが強く、ヒステリーな女性上司がいます。彼女自体は、ぜんぜん仕事ができなくて、いつまでも女子!って感じなんですが、男性の上司には可愛がられていて、どんどん出世していくんです。ああいうふうにならないと出世しないのかと思うとうんざりだし、それに、私の上司はこの女……。男性上司だったら、私だって可愛い子ぶることもできたと思うと、なんだか理不尽さを感じます。この女性に好かれることは不本意ですが、可愛がられるに越したことはありませんよね。ヒステリーで仕事ができない女上司に好かれて、出世できるコツを教えてください」

なぜか上役に可愛がられている年長の女性社員っていますよね。30代からすると、「いいオトナがかわい子ぶって、気味が悪い……」と思うこともありますが、それもひとつの処世術。なにより、その女性上司に認められなければ、自分が仕事がしにくいというのが一番の問題です。どのようにコミュニケーションをとっていけばいいのでしょうか。鈴木真理子さんに伺ってみましょう。

☆☆☆

ヒステリー上司には冷静沈着に対応しよう

女性管理職の比率を高める企業が増えて、出世したり役職につく女性も多くなってきました。「〇年間に、管理職として女性を〇人起用する」と決めている企業もあり、昇進の先を越された男性陣から「女性だから得だよね」なんて声があがることもあるとか。相談者さんの女性上司も、そういったやっかみの中で頑張ってきた方であるということを、ぜひ心に留めてください。

しかし、新入社員時代に課長だった男性上司が役員に昇格し、昔から可愛がっていた女性の部下を部長職に引き上げた、なんて話も聞いたことがあります。周りはなんだかな……と思っているそう。

また、既婚者でありながら女性社員からモテたかったり、彼女たちの気を引きたかったりして、お気に入りの女性部下に役職をつける男性もいるとか……。自分に気に入られないと出世できないと思わせる言動は、セクハラやパワハラを助長するもので、許されたことではありません。実力で勝負したいところです。

そういったご時世の中、仕事ができない人物が出世している状況や、上役に可愛がられていることにもやもやする相談者さんの気持ちはわかります。しかし、ヒステリー上司に対して、部下もヒステリーになって言い返しても、事態が好転することはありません。

いつでも冷静沈着に対応してください。

ヒステリー上司への対応のポイントふたつ

相談者さんへ、ヒステリー上司に対する対応のポイントはふたつあります。

まず、必要以上に仲良くなろうとしないこと。
何度も言っていますが、会社は仕事をする場所、社員は会社にとって利益を出すための人財です。険悪になることで業務に支障がでるのは問題ですが、「親友」になる必要はありません。

「仲良くしましょう」というと、女性は特にプライベートまで踏み込むことが仲良くすることだと勘違いする人が多いのですが、もともと性格が合わない人と無理に距離を縮めようとするのは、余計なストレスを招きかねません。業務上のやりとりがスムーズになるよう、「普通に」「ニュートラルに」コミュニケーションが取れれば十分なのです。

そして、ふたつめは、敬語を崩さないこと。常に正しい敬語で対応しましょう。

相手がヒステリーになっていると、こちらも激昂してしまい、言葉遣いまで気が回らなくなってしまう場合もありますね。だからこそ、冷静沈着になることが大切なのですが、そういう状況になってしまったら、「ちょっと頭を冷やしてきます」とひとこと言って、その場を離れるようにしましょう。ここで、プイ!と背を向けてしまってはいけません。なぜなら相手は「自分が拒絶された」と思って、余計にイライラを募らせてしまうからです。

このふたつを常に頭に入れ、一定の距離感をもって仕事をこなしていってください。

ヒステリー上司も自信がないのかも……

その上司の立場で考えてみると、彼女も部下から慕われたいと思っているのだと推測できます。でも相談者さんが言う通り、自分でも仕事ができないと思っているのではないでしょうか。マネジメントの経験も乏しければ自信がない。だからこそ自分を大きく見せたい、なめられたくない。そう思うからこそ、思い通りにいかないと当たりやすい部下にヒステリーを起こしてしまうのかもしれません。

あなたのほうが仕事ができるのであれば、ぜひできない上司の仕事を助けたり、先読みをして、「これをやっておきましょうか」など、サポートしてあげてください。

プライドが高そうなので、くれぐれも恥はかかせないこと。あなたが「良かれと思って」でも、「話が早いから」でも、彼女の仕事を取るような仕事の仕方はしないようにしてください。口惜しさ余って、上役にあることないことを吹き込む恐れだってあります。「ご相談したいのですが」「アドバイスをいただけますか」と下から目線になり、「ありがとうございます」のお礼と報告を忘れずにしましょう。

“スマイルスマイル”で対応していきましょう。次第にその上司は、あなたに感謝するはずです。そうすれば、相談者さんも、今よりずっと会社での居心地もよくなり、仕事もスムーズに進められるはずです。

ギャンギャン怒鳴る女性上司って、声のキーが高い分、頭に響いて辛いんですよね……。

 



■賢人のまとめ
部下にヒステリーを起こす上司は、子供じみた性格のまま年を取ってしまったといえます。半面、プライドが高いので、恥をかかせたりすると、目をつけられたり、あなたの立場がさらに悪くなる場合が。仕事ができないのであれば、「これをやっておきましょうか?」などとサポートしてあげましょう。敵ではないことをアピールしていってください。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

(株)ヴィタミンMサイトhttp://www.vitaminm.jp/