WDのミリガンCEO(左)と東芝の綱川社長

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 東芝は、半導体メモリー工場の設備投資を手がける米ウエスタンデジタル(WD)との合弁会社の株式の持ち分を、東芝メモリ(東京都港区)に譲渡した。メモリー事業分社の際に合弁会社の権利も移管したが、WDがこれを契約違反だとして国際仲裁裁判所に申し立てたため、東芝本体に戻す措置を行っていた。今回、株式持ち分が東芝メモリに移ったことで、同社の資産価値が回復し、2兆円で売却する下地が整ったことになる。

 WDは当初、東芝による半導体メモリー事業売却に反対。国際仲裁裁判所に手続き中止を訴えた課程で、合弁会社の権利移管を契約違反としていた。

 そのため東芝は申し立ての根拠を回避するため、人員などと共に東芝メモリに移した合弁会社の株式の持ち分を、再び東芝に戻していた。

 2017年12月にWDとの和解が成立したため、今年に入って合弁会社の株式を東芝メモリに移した。

 東芝は四日市工場(三重県四日市市)の設備投資を行うWDとの合弁会社3社に、それぞれ50・1%を出資している。

 工場の建屋やメモリー生産に必要なインフラ、人員などは東芝メモリに所属しているため、合弁持ち分を東芝に残していても大きな資産価値の減少はないとしていた。

 ただ売却額が目減りすれば東芝本体の株主資本にも影響するため、持ち分を東芝メモリに戻すことが課題の一つだった。

 今回の移管で、東芝メモリの分社と売却に向けた手続きが完了したことになる。残る課題は独占禁止法審査のみとなる。すでに各国の審査は進んでおり「残すは中国のみ」(東芝関係者)の状態。3月末までに審査が完了するかが、焦点となる。