御手洗冨士夫会長兼CEO

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 ―2017年12月期は4兆円の売上高予想を超えそうな勢いです。続く18年12月期も業績拡大に期待が高まります。
 「17年12月期は“大”増収増益となる。新規事業はもちろん、カメラや複写機の事業が伸びたことが重要だ。スマートフォンの台頭によるカメラ市場の縮小は事実だが、高価格帯やミラーレスは伸びている。複写機はラインアップが出そろった第3世代が好調で、18年も楽しみだ」

 ―買収した医療機器会社の社名がキヤノンメディカルシステムズとなり、一体感が出ました。
 「当社とキヤノンメディカルシステムズは、画像処理が大きな共通点で、連携が進んでいる。医療機器の世界トップスリーを上回るのは簡単ではないが、ビジネスの世界に不可能はない。磁気共鳴画像装置(MRI)技術の発展に加え、販売網強化の投資が必要だ。事業を補強するためのM&A(合併・買収)も実施したい」

 ―具体的なM&A戦略は。
 「3年で3000億―4000億円を医療機器や監視カメラ、商業印刷を補強するために使いたい。17年はなかったため、投資可能な額が増えた。株価が高かろうが、技術やビジネスを育てるため、30―40年先を考えて買う。候補はある」

 ―半導体市場の先行きをどう見ますか。
 「不景気にならない限り、2―3年は急激に悪くならない。サーバーの進化や人工知能(AI)、車のエレクトロニクス化など需要は多い。当社の半導体装置事業も、18年は17年よりも伸びる。生産能力を倍増させても、工場をフル操業させても間に合わない。新拠点は考えていないが、今後も増産する」

 ―成長のキーワードとしてAIを挙げました。
 「デジタル革命の大きな流れの中で、今はAI活用の入り口だ。自動運転のように、人間のやることを代替するのではないか。当社では診断支援など、画像を読む力が期待できる。各事業でAIをいかに取り入れるか真剣に考える。シリコンバレーにAI技術者の駐在を増やし、情報のアンテナを強化する」

 ―足元の業績拡大に新規事業を加味すると、20年の目標である売上高5兆円の実現性が高まってきたように見えます。
 「売上高5兆円は、M&Aを行えば難しくない。20年の5カ年計画は折り返しに来た。新規事業の4本柱がどこまで行くのか、この1年で見極めたい。今はイノベーションが進む時だ。その代表であるAIがどうなるのかも見極め、20年より先の計画を考える」
(聞き手=梶原洵子)