第3四半期はアジア全体では、ジュエリー分野における需要は弱かったといえます。日本でのジュエリーの需要も前期4.2tから4.1tに減少。一方、ベトナムの需要は、前年同期比で14%伸び、トルコでは、年初からの総需要が25%上昇している。(写真は、トルコのジュエリーショップ。提供:123RF)

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■ジュエリー分野におけるアジア諸国の金需要動向

 今回は、アジアの他の国のジュエリー分野における金需要の動向についてごく簡単にみてみたいと思います。アジア諸国は、経済的な発展を受けて、金の需要が伸びている地域といってよいでしょう。今後は中国、インドだけでなく、その他の地域でも金需要が伸び、世界全体の金需要に与える影響も大きくなるとも考えられます。以下は、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)のGold Demand Trend Q3, 2017を参考にしました。

 まず、第3四半期はアジア全体では、ジュエリー分野における需要は弱かったといえます。マレーシアなどは、前年同月比で10%ほど減少していますが、イスラムの行事(断食を行うラマダン)に関連して減少しやすい時期の影響が続いたといえるようです。

 また、日本でのジュエリーの需要も重苦しい状況で若干減少し前期4.2tから4.1tに減少したとのことです。ただ、第4四半期にかけての景況感は、香港ジュエリーショー後の日本への輸出が期待されることからよい状況にあるようです。 このところ注目されるベトナムの需要は、GDP成長が良好なことを背景に、前年同期比で14%伸びています。有名な小売チェーン店がショップを増やすなどの動きもあるようです。ベトナムは、アジアにおいては注目される存在といえるでしょう。

■注目すべき中東のジュエリーにおける金需要は?

 中近東の金需要についてみると、トルコでは、7月、8月の金価格の下落を経て消費が拡大し、2期連続の上昇で、前期比11%成長しました。2016年のトータルと比較しても、年初からの総需要は、25%上昇しているとのことです。

 中東全体では、前年同期比で4%減少しました。一方、エジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)では、UAEは、生活費の上昇、観光収入の減少などが影響し減少、サウジアラビアでの減少は、原油価格や労働コストが影響しているようです。第4四半期においては、1月の付加価値税(VAT)導入を前に駆け込み需要が期待されているとのことです。

 イランは、中央銀行の金利政策の管理が功を奏して、9期連続の需要増となり、前年同期比では8%の上昇となりました。
中東における金への畏敬の念は、金需要を支えるものとして引き続き注目していかなければならない存在と考えられます。

■まとめ

 それぞれの事情を抱えながら、アジアにおける金需要は中国を中心に世界の金需要の中で重要なけん引役を果たしているといってよいでしょう。引き続き、ベトナム、トルコなどは注目されます。

 今回は、アジア諸国のジュエリー分野における金需要について簡単に見てきました。今回、中国、インドに触れませんでしたが、特にインドは、GST(物品・サービス税)という新税が導入されたことで需要に影響を与え減少圧力になっていると考えられますが、今後どこかの時点で収束し、再び需要が増加に転じることも予想できるでしょう。

 いずれにせよ、経済発展するアジア諸国は金需要を引き続き牽引するでしょうし、金需要が増加する新興の国が現れてくるかもしれません。

今回は、アジア諸国のジュエリー分野における金需要動向についてのお話しでした。(情報提供:SBIゴールド)(写真は、トルコのジュエリーショップ。提供:123RF)