「e-Palette Concept」の多様な仕様(画像: トヨタ自動車の発表資料より)。

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 移動、物流、物販などに使えるモビリティサービス(MaaS)専用次世代EV「e-Palette Concept」を、1月9日〜12日に米国ネバダ州ラスベガスで開催された「2018 International CES」にトヨタが出展した。

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 これは自動車物流・人運搬の全般を担うシステムとして標準化を狙ったもので、2020年の東京オリンピックに関係者用車両として使用を考えているようだ。同時に、アメリカを含めて世界各地でレベル4の自動運転実証実験を始めるようで、世界シェアを総取りするほどの野心的案と言える。

■人手不足を解消し、一方で雇用を奪う

 これは、日本車がAI・EV・IoTに消極的と言われる中で、最先端を狙っていると表明することになり、株投資家は慌てることになる。しかしながら、日本ではどうして列車にAI自動運転を取り入れないのかが問題だ。運転支援システムの現段階でも、事故を防ぐ意味でも、省人化の意味でも、積極的にならないことが、鉄道関係者の国民に対する背信行為だと感じる。それは省人化につながり、鉄道関係者の雇用に大きく影響することとなる。労働組合との話し合いを急速に進める必要性がある。銀行の3割人員削減を正面から受け止めるべき時が来ている。

■「カーゴシステム」は日本防衛の要

 「e-Palette Concept」と聞いたとき、まず思い出したのがアメリカ軍の「カーゴシステム」だった。現在、北朝鮮情勢でおなじみになったアメリカ軍の動きだが、在外アメリカ軍規模を出来るだけ縮小したいのがアメリカの本音だ。そこで考えられたのが、通常はアメリカ本土に駐屯し、有事には海外の基地に急速に展開するこのシステムだ。これで海外駐留コストの削減が出来るので、進展してきた経緯がある。

 「カーゴシステム」の要は「ビッグリフト作戦」だ。これは超大型輸送機を持ち、戦車など機械化部隊も、装備もろとも空輸する手立てだ。これには、まず超大型輸送機の開発が始まり、ボーイングとロッキードが競合した。ロッキードが勝ち、C-5輸送機が開発されることになった。その後、陸軍C-5、空軍C-17と巨大化して能力を上げている。ボーイングは競争入札に敗れたとき、旅客機型C-5を恐れて、緊急に開発したのがB747ジャンボだった。高翼から低翼配置にして、万が一着水したとき沈むまでの時間を稼げるようにし、旅客型としてさらに優秀な性能を持たせて、世界に君臨したのは皆さんご存知の通りだ。

 アメリカ軍の「カーゴシステム」では、輸送機の床はトラックの荷台の高さに合わせられ、コロが引き詰められてフォークリフトなどで持ち上げる動作なしに、人力で押して輸送機からトラックに荷を移すことが出来た。戦場に展開する都合を考えたシステムになっている。アメリカ軍の世界戦略の要と言って良い。