サーロインとフィレが一度に楽しめるボリューム満点の「プライムステーキ」(2人分・1万6000円〜)。女子だけの“肉会”でも大人気

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 「赤身・熟成・塊」をキーワードに、日本で続く牛肉ブーム。

 その波に乗って海外の有名ステーキ店が続々と上陸し、東京・六本木は激戦区と化している。本場、米・ニューヨーク発祥の「ウルフギャング・ステーキハウス」は、その先駆けとして知られている。(榊聡美)

風を当て28日間も

 熱々の大皿を手に、スタッフがホールを行き交う。分厚いステーキが奏でる食欲をそそる音で、店内は活気にあふれている。

 米国で人気の「ウルフギャング・ステーキハウス」の国外初出店として、六本木にオープンしたのは4年前。米国産の赤身を使った熟成肉のステーキは、“霜降り好き”の日本人の舌をもとりこにした。

 扱うのは、米国農務省(USDA)の格付けで最高ランクである「プライム」グレードの希少な牛肉。米国で加工された塊肉を冷凍せず冷蔵で空輸し、店内の熟成庫へ。温度・湿度を管理し、風を当てながら28日間かけて熟成させる。ドライエイジング(乾燥熟成)と呼ばれる方法だ。酵素の働きで肉質がやわらかくなり、タンパク質が分解されて、うまみ成分であるアミノ酸が増す。

インスタ映え抜群

 厚切りの熟成肉を、バターを引いた大皿にのせ、900度のオーブンで皿ごと一気に焼き上げる。

 「アミノ酸はレアの状態が最も多く、加熱すればするほど減っていきます。食感も硬くなってしまうので、焼き加減はレアがお勧めです」と、ウルフギャング・ステーキハウスジャパンのセールス&マーケティングディレクター、小林哲也さん(45)は話す。

 看板メニューは、サーロインとフィレが一度に味わえる「プライムステーキ」。重さ850グラム(2人分)、厚みが4センチほどもある骨付き肉はインスタ映え抜群。その迫力に圧倒される。表面はカリッと香ばしく、脂身の少ない深紅の断面から肉汁があふれ出る。適度な弾力のあるやわらかな食感。かみしめると口の中にうまみが広がり、うっとりするおいしさだ。

 シンプルな料理だけに、味の変化が自在に楽しめる。オリジナルのステーキソースをはじめ、マッシュポテトやクリームスピナッチ(ピューレ状のホウレンソウ)もソース代わりに。わさびじょうゆでさっぱり食べるのも乙。そんなふうに味わっていると、思いのほか軽く平らげることができる。

幸せも補給する

 創業者であるウルフギャング・ズウィナー氏(78)はドイツに生まれ、19歳のときに米国へ移住。41年間、ニューヨークの老舗ステーキハウスで働き、ノウハウを培った。

 「そこもドイツ系の米国人がいる店でした。硬い肉が好まれる米国で赤身をいかにやわらかく、おいしくするかと考え、たどり着いたのが欧州伝統のドライエイジングだったようです」と小林さんは説明する。

 大皿から取り分けて食べるシェアスタイルも、米国にはなかった発想とか。カジュアルなステーキの楽しみ方は国を超えて人気を呼び、現在は世界6カ国17店舗に広がっている。

 ステーキを頬張りながら不機嫌になる人はいないのも万国共通。牛肉の赤身にはトリプトファンが豊富に含まれている。これは「幸せホルモン」と呼ばれる神経伝達物質、セロトニンの原料となる栄養素だ。幸せも補給できるのがステーキの醍醐味(だいごみ)といえる。

 ■ウルフギャング・ステーキハウス六本木店

 東京都港区六本木5の16の50、六本木デュープレックスM’s1階。午前11時半〜午後11時半(10時半ラストオーダー)。熟成肉はプライムステーキのほか、サーロイン(8000円)、リブアイ(9400円)も。ランチはパスタやハンバーガーなど多彩なメニュー。いずれも税、サービス料(10%)別。無休。(電)03・5572・6341。

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