オレたちが王者だ! ノーサイドの笛が鳴ると、サントリーのフィフティーンは雄たけびを上げて勝利に酔いしれた(撮影・山田俊介)

写真拡大 (全3枚)

 日本選手権兼トップリーグ決勝トーナメント決勝(13日、サントリー12−8パナソニック、秩父宮=観衆2万3416)昨季2冠のサントリーがパナソニックを12−8で破り、日本選手権は2季連続8度目、TLは2季連続5度目の優勝を飾った。「去年のチームを超える」を合言葉に、昨年10月のリーグ戦で敗れたパナソニックにリベンジしての日本一。来季もさらに進化して、チーム2度目の日本選手権V3、初のTL3連覇にチャレンジする。

 12−8の後半ロスタイム。自陣ゴール前5メートルでパナソニックボールのラインアウト。トライを取られれば逆転負けとなる土壇場で、捕った相手にプレッシャーをかけるとボールがポロリとこぼれた。ノックオン。サントリーの選手たちが両腕を突き上げるのと同時に、終了の笛が鳴った。

 「どっちに転がるか分からない試合だったが、ウチはフィットネスに自信があった。その差が出ました」

 SH流大(ながれ・ゆたか)主将が胸を張った。わずか4点リードの後半33分過ぎからは、普通ならキックで敵陣に深く入り込み、相手の攻撃を止め続けるところ。しかし、39次にも及ぶ攻撃で6分以上時間を使い、勝利を呼び込んだ。

 「パナソニックを相手にあれだけ攻撃を重ねられるのはウチだけ」。昨年10月のリーグ戦で10−21で敗れ、今季唯一の黒星をつけられた最強の挑戦者にリベンジ。25歳の若きキャプテンはもう一度、胸を張った。

 その裏付けとなっているのが、就任2年目の沢木敬介監督(42)が「去年を超えろ」と主導する“居心地のよくない練習”だ。シーズン前から1段の奥行き60センチ、段差20センチの6段の階段を使い、ダンベルや水を入れたチューブをかついで上り下り。イングランド代表などが取り入れる階段トレでパワーが増した。

 毎週火曜には、選手のほとんどが「キツい」というノンストップのゲーム形式練習。約45分で80分の試合を超える運動量となる。前半33分にチーム2本目のトライを決めた社員選手のWTB江見翔太(26)は「火曜はなるべく仕事を入れないようにしている」というほどだ。

 ワラタス(豪州)と対戦した昨年に続き、6月にスーパーラグビーのチームを招いての試合を予定する。「成長が止まれば衰退の始まり」という沢木監督に率いられた王者は、V3へ歩みを止めない。 (田中浩)

★サントリー今季TL敗戦VTR

 (2017年10月21日、熊谷ス)赤カンファレンス(C)8戦全勝でトップを走るサントリーが、白C首位のパナソニックと交流試合で全勝対決。サントリーは前半、2トライを奪い10−11で折り返したものの、後半は相手WTB山田にトライを奪われると得点できず、10−18で敗れた。一昨季からのTL連勝が26、国内公式戦の連勝も28でストップ。SH流大主将は「もう1回やりたい」と決勝トーナメントでの雪辱を誓った。

★今季の日本選手権

 1963年度の第1回大会から昨季まで大学チームも出場していたが、2019年の日本開催W杯へ向けた日本代表強化の一環であるスーパーラグビー・サンウルブズの準備期間を増やすことを目的に、大学枠を撤廃。トップリーグ(TL)の優勝決定トーナメントを兼ねて行うことが昨年1月に決まった。今月6日に開幕した大会には、16チームを2組に分けて戦ったTLの各組上位2チームが出場した。

サントリー・サンゴリアス

 1980年創部。89年度に東日本社会人リーグ初優勝。95年度に全国社会人大会と日本選手権初優勝。全国社会人大会優勝3度、日本選手権優勝8度。トップリーグ優勝5度。グラウンド所在地は東京・府中市。愛称「サンゴリアス」はサントリーの「サン」、太陽の「SUN」と巨人を意味する「ゴリアス(GOLIATH)」に由来。流大(ながれ・ゆたか)主将、沢木敬介監督。