ターボ4基を積んだ「CLR」制作のS14型シルビア

写真拡大

 最高速を競うチューニングカーの祭典から始まった「東京オートサロン」の花形はやっぱり、オイルや焼けたゴムの匂いが漂ってきそうなチューナー自慢のデモカーたち。

 中でもひときわ異彩を放つのが、ボンネットからはみ出した四つのターボを積んだ異形の日産シルビア(S14型)だ。ダメ押し気味にジェットエンジンを積む過剰きわまりない「魔改造」な一台だが、進化の途上にあるという。

 もともとの直列4気筒SR型エンジンから、トヨタ・スープラの直列6気筒2JZ型に換装。ただでさえ大きくなったエンジンに、ターボのタービンを4基くっつけた。理論上はまだまだパワーを絞り出せるが、駆動系の負担を避けるために850馬力に抑えたという。右側ヘッドライトを潰して無理やり詰め込んだ巨大なタービンたちはエンジンルームに収まりきらず、くりぬいたボンネットからはみ出してしまっている。ラジエーターやオイルクーラーは車体後部に追いやり、結果的に前後重量バランスに配慮したレーシングカーのような取り回しになった。

 手がけたのは、栃木県日光市のチューニングショップ「CLR」。渡辺拓郎代表(40)が10年近く前から、サーキット走行用のデモカーとして2千万円近くかけて作り込んできた。最大の特徴でもある車両後端のジェットエンジンは、RC(無線操縦)飛行機用のもの。上向きに取り付けて上空へジェット噴射することで、後輪を地面に押しつける強いダウンフォースを得る狙いだ。しかし肝心の効果については、「正直言って分かりませんでした」と笑う。

 これだけの「魔改造」を施しても、渡辺代表によると現在はまだ「第4形態」だそうで、これから「ロボット工学と電動化で『トランスフォーマー』を目指す」と意気込む。冗談にしか聞こえない言葉だが、この破天荒な独創性を目の当たりにすると、独自の解釈のロボットマシンが本当に生まれそうで思わず期待が高まった。(北林慎也)