限られた経営資源をフル回転させる

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「まだ小さな会社」が持つ経営資源は決して多くありません。でも、これらを最大限効率よく回転させることで、大企業にも匹敵する力を発揮する可能性は十分あります。そのことは、日本の歴史から学ぶことができます。

桶狭間の戦いを制した信長の戦略

わずか3000の兵力でしかなかった織田信長が、2万余とも言われた大大名・今川義元の軍勢を破った桶狭間の戦い。7倍にも及ぶ兵力差にも関わらず信長が勝利した要因は様々な指摘がありますが、信長の情報戦略が優れていた事は間違いないと言われています。
合戦の前日、現地の地の利に詳しい土豪・簗田政綱は、「今川軍は4万との噂があったが実は2万」「今川軍の陣は桶狭間と田楽狭間にあり、本陣は田楽狭間にある」「田楽狭間の軍勢は200?300程度」など、細かい情報を信長に伝えていました。
合戦の結果はご存知の通り、信長軍は今川義元を打ち取り、名門・今川氏はこれをきっかけに衰退。信長は一躍天下取りに名乗りを上げることになりました。

情報を重んじた信長の眼力

合戦直後の論功行賞で、信長は、義元を直に討ち取った毛利新介と服部小平太よりも事前の情報を伝えてきた簗田政綱の方を高く評価しました。
彼が信長に伝えた情報は、誰かに調べさせた内容ではなく、日頃から住民と深い信頼関係を築き、常に自分の目で現場を見続け熟知した者にしか分からない生の情報でした。この生きた情報が信長の素早い判断を導き、見事勝利に至ったのです。
これがもし第三者の伝聞から伝わってきた情報だったら、信長に迷いが生じ、義元を的確に討とれたかは疑わしいでしょう。

無駄を略した情報戦の極意

現場に基づいた情報により、持てる資源を何倍にも活用し、短時間で最大限の効果を挙げ、日本の歴史を動かした織田信長。まさしく「情報によりムダな戦いを略した」情報戦略の先駆的使い手と言えるでしょう。
情報社会と言われる現代でも、本当に必要な情報は、ただ待っているだけでは集まりません。事業の針路にとって必要となる情報とは何かを考え抜き、意識して日頃から情報を集めて分析し、誰かの恣意が入っていないか、見抜く必要があります。それには、緻密な神経と緊張 感と、素早い頭の回転と判断力を必要なのです。

参考書籍:大西肇著「『今はまだ小さな会社』が進化するための101の手がかり」(合同フォレスト刊)

「今はまだ小さな会社」が進化するための101の手がかり posted with ヨメレバ 大西 肇 合同フォレスト 2017-12-10