納得の値引き引き出しには下取り査定の上乗せが大切

 新車の値引きについては、車両本体価格からの値引き(車両本体値引き)、カーナビなどオプションからの値引き、そして下取り査定額の上乗せで構成されている。

 車両本体値引きは車両本体価格中のディーラー利益分が原資となっているが、近年ではディーラー利益が以前ほど手厚くないこともあり、“年度末商戦だから”などといって、値引き額が変動することはなくなり、通年で安定したものとなっている。用品値引きは用品総額から20%程度の値引きが可能となっている。

 車両本体値引きや用品値引きだけではなかなか思うような値引き条件のアップは期待できない。そこで注目するのが下取り査定額の上乗せとなる。

 下取り査定は本来ならば、内外装の傷や走行距離など実車の現状をチェックして現状価値を算出するもの。だが中古車相場を意識し、下取り査定額より高い買い取り額を提示する買い取り専業店の台頭により、下取り査定でも中古車相場も加味して査定額を算出するようになり、買い取り店の提示する買い取り額並みの査定額が提示されるようになってきている。

 それでは、より良い下取り査定額をゲットするための方策はあるのだろうか、下取り査定でよくある疑問から解き明かしてみよう。

1)洗車してディーラーに持っていったほうがいい?

 ドロドロの河原を走りまわったあとなど、著しく汚れていない限りは一般的な埃や、雨天走行後の泥はねが乾いた状態などでは、ピカピカに磨いていった場合と大きく査定が異なることはないだろう。セールスマンはドアの内側やトランクを開け、ウエザースリップ近くをチェックすると聞いたことがある。自分で洗車をしたときでも、外側だけ拭きあげていたり、ノンブラシ洗車機を頻繁に利用していると、ドアの内側に汚れがこびりついていたり、ひどいときにはコケが生えていたりするのである。

 洗車機械の入れすぎで、薄い傷や塗装に問題などが発生していない限りは、大きく査定に響くことはないが、普段どのように乗っているかを知ることはできるのである。

2)夜間に査定を依頼するほうがいい?

 暗くなった屋外で行うことはないが、明かりのある整備工場内での査定では、やはり傷などの見落としも多くなるので、原則的に夜間の査定は行わないケースが多い。仮に夜間査定に応じたとしたら、見逃しが起きるリスクから査定額が伸び悩むことも多いようだ。

残り車検や車体の傷はどう判断するとお得か

3)ちょっとした凹みや傷でも直したほうがいいのか?

 ボディに凹みや傷があれば、その深さなどの状況に応じて減点され、査定額は下がってしまう。だからといって修理してから査定に出すのは得策ではない。一般的な修理ではその代金には、修復を行うディーラーなどの利益も含まれているが、そのまま査定に出すと利益は加算されず、原状回復にかかる費用相当分だけが減点対象となるので、そのまま査定に出すほうが得策といえるだろう。

4)車内にライバル車のカタログを置いておくといい?

 査定時には内外装のチェックのほかに、査定のチェックシートには車検証の内容を書き写す箇所もある。過去にはセールスマンが、査定対象の車両の車検証や自賠責保険を確認したときに、ライバルディーラーへの暗号のように、“すでにチェック済み”というのがわかるマーキングをしていた。

 それを逆手にとるというわけではないが、後席などにライバルディーラーのカタログや見積書の入った封筒を無造作に置いておくのは意外に効果的。セールスマンが気にならないわけはなく、当然査定額の算出などでもライバルがいるという前提で算出されることになる。

5)車検有効期限切れギリギリに持ち込むと有利になる?

 ディーラーへ下取り予定車を乗り付けて駐車場に停めようとしていると、セールスマンが誘導してくれることがよくある。顧客満足度を上げるサービスというだけでなく、誘導しながらすでに情報収集に入っているのである。その一番大事な情報収集が下取り車の車検有効期間。フロントウインドウセンター上部に貼られた車検ステッカーをさりげなく見ているのである。

 過去には次月にでも車検切れとなるクルマを乗り付ければ、Aホット(すぐに契約がもらえそうなお客)にランクされ、トントン拍子に値引きもアップしていったのだが、最近は少々状況が変わってきている。

「購入希望される車種にもよりますが、登場したばかりの新型車などを希望されると、納車までに数カ月を要することもザラとなりますので、車検切れ寸前の下取り車では、納車前に車検切れになる可能性もあります。最低でも車検切れまで半年ぐらい余裕があったほうがいですね」とは現役セールスマンの話。

6)低年式で過走行の下取り車は査定額がつかない?

 今や中古車オークション会場に出入りしているバイヤーの多くは外国人となっている。日本で買い付けた中古車を母国などへ輸出しているのである。彼らの活躍で低年式(古いクルマ)でも驚くほどの査定額がつくようになった。SUVやミニバンは鉄板といってもいいほど好条件が連発している。

彼らは買い付けた中古車を真っ二つに切断し、部品扱いにして関税などを安くして輸出し、陸揚げ地で溶接して再びクルマとして使えるようにしたりすることもあるので、外装などはほとんど気にしない。走行距離にしても、“日本は使用環境が良い”として、走行距離が数十万kmでもあまり意識しないとのことである。

 出先でセールスマンが、低年式で過走行状態のSUVを再販価値(日本国内)がほとんどないとして数万円の査定額をつけたあと、営業所に戻り中古車相場を加味して再査定したら数十万円になったというケースもあった。減価償却していくのだから、古くなればなるほど査定額は下がっていくと考えがちだが、海外バイヤーの間で人気となれば、逆に査定額がアップすることもある。トヨタ、日産、ホンダのSUVやミニバンならば、低年式車であってもかなり注意して下取り査定額や買い取り額の推移に注意したほうがいいだろう。