日銀が9日、超長期国債を対象にした買いオペ(公開市場操作)で買い入れ額の減額を通知した。当時外為市場ではユーロ高・ドル安がユーロ安・ドル高に反転した時期であったことや、日銀の突然の方針変更が関係者にとって想定外であったことが重なり、国内金利が上昇に転じ、米10年債も「2.5%の壁」をあっさり超えた。金利上昇への期待が金融株の上昇につながった。

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 金利上昇の動きは10日の東京外国為替市場での円相場続伸となり、午後5時には1ドル=111円93〜95銭と、前日9日の同時点との比較で81銭の円高・ドル安だった。日銀が9日に超長期国債の買い入れ額を減額したことが円買い材料として見直され、国内の長期金利が上昇し円買いの動きを後押しした。同時刻帯の対ユーロでは1ユーロ=133円58〜61銭と、前日同時点に比べ1円15銭の円高・ユーロ安だった。ドルに対する円高の動きに連れて、対ユーロでも円高が進んだ。

 日銀の買いオペ減額に端を発したマーケットの過剰ともいえる反応は、日銀の出口戦略が見えないことにある。4月に総裁と副総裁が任期満了となる日銀は、黒田東彦総裁が続投した場合には、物価上昇率2%の呪縛から逃れられず、異次元緩和を打ち上げた黒田バズーカの撤収は困難であろう。人心が一新した場合には、過去の金融政策を大胆に見直して出口戦略を具体化することが期待される。

 3月にパウエル新議長がデビューする米連邦準備理事会(FRB)は概ね今までの流れを継続し緩やかに利上げを続けると見られている。欧州中央銀行(ECB)も緩和縮小観測が穏当に受け止められている。方向性が見えていないのは日本だ。まだ金融緩和を続けている日銀の政策転換は、国内金利や為替相場には十分織り込まれていない。金融政策を転換する局面では、市場参加者の反応は過剰に出やすい。そんなことを痛感させられた年の初めだった。