お金に苦労せず、幸せに生きていくことを目指す【脱貧困診断】。前回に引き続き、ビットコインについてです。

「今年から、“お金を増やす”ことの勉強をしたいと思っています。最近、ビットコインの話題をよく聞きます。10万円が100万円になったという人の話や、今年は国内のインフラが整い実際に利用できる通貨として成立しはじめる……なんてことも聞きました。ビットコインについて、儲かるかを教えてください」(製薬会社勤務・34歳)

去年から今年にかけ、注目されている仮想通貨。森井じゅんさんに基本を教えていただきましょう。

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ビットコイン以外の仮想通貨は1000以上も!

ビットコイン以外の仮想通貨は、まとめてアルトコインと呼ばれています。アルトコインは規模や特徴など様々で、世界には1000を優に超えるアルトコインがあると言われています。

有名なところでは、リップル、モナコイン、イーサリアムやネムなどがあります。

リップルはGoogleも出資しているネット決済手段です。ビットコインよりもマーケットは小さいですが、Googleの名前の影響から、安心感や親しみやすく感じる人も多いようです。ビットコインは昨年、一時期20倍以上値上がりしましたが、このリップルは一時250倍まで高騰しました。

モナコインは日本発の仮想通貨で、ネット上の2ちゃんねるという掲示板が発祥と言われています。ネコの「モナー」がイメージになっていたり、秋葉原でプロモーションイベントが行なわれたりと、面白さもあります。

世間にはまだ知れ渡っていない仮想通貨も非常に多く存在し、そうしたマイナーなコインに注目している人も増えてきています。

しかし、こうした仮想通貨の多くは、ビットコインよりもさらに価格のアップダウンが激しく、ハイリスクな通貨であるとも言えます。

仮想通貨は「持っていれば必ず儲かる」わけではない
仮想通貨に儲かるチャンスがあるかないか、と言えば、「ある」でしょう。
一方で、たまに聞く「仮想通貨は上がる一方だから、買えば必ず儲かる」という言葉は正しくありません。
 
確かに、今の多くの仮想通貨のように価格が変化しているうちは、これから参入した人でもチャンスがないわけではありません。良いタイミングで売り抜けることさえできれば、大儲けをすることも可能でしょう……。

しかし、あくまで上がったり下がったりするタイミングを上手く見極め、うまく売買した場合の話です。

価格の上げ下げが大きいということは、自分の取引次第で利益も損失も出すことができてしまうということ。大儲けする可能性があるということは、大損をする可能性もあるということは、忘れないでください。

また、「今買えば必ず儲かる」と、存在しないコインの売買を持ちかける詐欺も流行っています。十分に気を付けて下さい。

現在、仮想通貨は全体として価格が上がり続け、市場もどんどん膨らんでいるように見えるでしょう。これは、簡単に言えば、参加者が増え流入する金額が増えているためです。

ビットコインやアルトコインが、これから何年間と上がり続ける可能性はゼロではありません。しかし、無限に参加者が増え続けるわけではありません。いつかは頭打ちになり、そこで停滞や暴落する可能性もあります。

ビットコインもアルトコインも、現在、参加する多くの人の動機が「儲けるチャンス」です。 つまり、投機的な位置づけになっています。そうした立ち位置の場合、価格の上昇が止まれば持ってる意味はあまりなくなります。そして価格が停滞すれば、多くの人は売って撤退しようとします。さらに、価格が下がりはじめると撤退する人はさらに増える可能性があり、それまで膨らんだものが一気に萎むこともあり得るのです。

仮想通貨の利益は「雑所得」

ここでは、仮想通貨で得た利益について、かかる税金について説明します。

上場株式や配当の利益については、基本的に所得に関わらず、一律20.315%の税率で税金がかかります。

たとえば、10万円利益が出た場合、2万円強の税金が引かれ、8万円弱受け取ることになります。このケースでは、投資口座の設定にもよりますが、源泉徴収ありの特定口座で取引をした場合には、自動的に税金が天引きされます。あとから税金の心配をする必要はありません。

一方、仮想通貨の利益は、「雑所得」という扱いになります。

雑所得の所得税は、所得に応じて5%から最高45%の税率が適用され計算されます。また、税金は所得税だけではなく、一律10%の住民税もあります。そして、仮想通貨の取引に自動的な税金の天引きはありません。そのため、利益が出た場合には、自分で納税資金を準備しておく必要があります。

上場株式の投資で損失が出た場合には、損益通算や損失の繰越控除を利用することで、その損失を無駄にせず、現在または将来の税金を減らすことができます。

一方、仮想通貨の取引をはじめとする雑所得では、損益通算も損失の繰越もできません。仮想通貨にかかる損失についてはなかったものとなってしまいます。

今後、仮想通貨にかかる税金の取り扱いは、変わってくる可能性もあります。しかし、現時点では株などの取引と比較して、有利な扱いとは言えません。また、前回もお話したように、買い物などに通貨として利用した時点で利益を認識し、所得を計算しなくてはならないので注意が必要です。

仮想通貨の3つのリスク

仮想通貨には、価値の変動リスクがあります。仮想通貨はあくまでも「デジタルデータ」です。金のように、それ自体に価値があるものでもなく、円やドルのように、価格が管理されているものでもありません。中央銀行から独立していることで、国の経済状況に左右されないというメリットがある反面、国という後ろ盾がないので、一瞬で価格が暴落してしまうリスクがあります。

そして、仮想通貨には物体がありません。物体がないので、物理的に盗まれることもありませんが、「電子的に盗まれる」可能性はあります。電子上のお財布から不正な操作によって、勝手に送金されてしまうことがないわけではないのです。そのため、パスワード変更や管理が非常に重要になってきます。

さらに、取引所にかかるリスクもあります。仮想通貨を取り扱う、取引所がハッキングされたり倒産したりするリスクだけでなく、取引所自体が犯罪を犯すリスクも。

いずれにしても、こうした取引をするのに自己判断は欠かせません。そして、自己判断をするにはまず知識を付ける必要があります。仮想通貨にご興味があれば、この機会にビットコインや多くの仮想通貨について学んでみてはいかがでしょうか。

きちんと理解できていないなら、手を出さない方が無難です!



■賢人のまとめ
ビットコインやアルトコインは、今のところ価格の上がり下がりが非常に大きいもの。儲かるチャンスがあるかどうかといえば、「ある」ですが、逆に大損することもあります。「必ず儲かる」というのは正しくありません。リスクがあることも知っておきましょう。

■プロフィール

女子マネーの達人 森井じゅん

1980年生まれ。高校を中退後、大検を取得。レイクランド大学ジャパンキャンパスを経てネバダ州立リノ大学に留学。留学中はカジノの経理部で日常経理を担当。

一女を出産し帰国後、シングルマザーとして子育てをしながら公認会計士資格を取得。平成26年に森井会計事務所を開設し、税務申告業務及びコンサル業務を行なっている。