菊地成孔「デジタルリマスターの威力ハンパねえ」 J・スコリモフスキ『早春』著名人コメント

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 1月13日に公開される映画『早春 デジタルリマスター版』に、各界著名人がコメントを寄せた。

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 本作は、1972年に日本初上映されて以来、ソフト化もされていなかったイエジー・スコリモフスキ監督の青春映画。ロンドンの公衆浴場に就職した15歳のマイク(ジョン・モルダー=ブラウン)が、婚約者がいながら奔放な性生活を送る年上の女性スーザン(ジェーン・アッシャー)に恋心を抱き、徐々にエスカレートしていく様を描く。

 このたび公開に先駆け、山田宏一、町山智浩、菊地成孔ら各界の著名人より下記のコメントが寄せられた。

●コメント一覧

■山田宏一(映画評論家)誰もが気恥ずかしくも夢中で一度は死ぬほどの恋をする。滑稽で悲痛な、甘美で苦しい、初恋。スコリモフスキの『早春』は永遠に危うく不安な青春映画の傑作だ。

■町山智浩(映画評論家)童貞をこんなにも美しく、残酷に描いた映画があるだろうか。プールに浮かぶ少年と美女の看板のラブシーンは永遠に不滅だ。

■山崎まどか(コラムニスト)黄色いコートに身を包んだナイフみたいなジェーン・アッシャー。彼女が切り裂いた少年の心から流れた血が、透明な水にたゆたう。無垢が潰える瞬間をこんなにも残酷に、硬質に、甘美にとらえた映画も他にない。

■蒼井ブルー(作家/写真家)映像の時代的古めかしさはむしろ新鮮で、おしゃれにすら映って楽しめる。少年の恋を思春期の危うさとともに描いているが、片思いのいら立ちを知っている者ならきっと感情移入する。これは確かに、「死ぬほどの恋」だ。

■テンテンコ(アーティスト)子供と大人の狭間。美しさと汚さの狭間。現実と夢の狭間……。どちらにも転ばない全てが危ういバランスで成り立つ儚い世界!段々と笑えてきさえする青臭さ全開な主人公の行動が最高に愛おしいと思いました……!

■紗倉まな(AV女優/作家)恋は何故こんなにも人を面倒臭くさせるのだろうか。“好き”が次々と爆発して、どうしても真っ直ぐに進めない、その不器用さ。いつまでも観たくなりました。

■菊地成孔(音楽家/文筆家)「青春映画の幻の古典」とされているが、ロンドンのポップと東欧の暗さが絶妙にミックスされている混血的珍品。とまれ、様々な元ネタの塊である、魅力的で斬新なショットの数々。デジタルリマスターの威力ハンパねえ。

(リアルサウンド編集部)