開発された駒の解説図。(画像:日本精工発表資料より)

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 日本精工グループのNSKマイクロプレシジョン社は、精密なベアリングを搭載し、凹凸のある面で回しても約8分間に渡って安定して動き続ける独楽(コマ)を開発し、1月10日に発売した。

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 独楽は日本では正月の風物詩である。古代からあったらしいが、それについてはよく分かっていない部分が多い。平安時代頃には、大陸から伝来したタイプの独楽が用いられていたが、現在日本で親しまれているタイプの独楽は和独楽といい、約400年前に登場したと言われている。

 昨今では、スムーズな回転を実現するために、様々な改良が試みられていた。そのための工夫の一つが、ベアリングである。

 ベアリングは日本語では軸受とも言い、機械部品を構築する際の重要なパーツの一つだ。自動車を作るにも自転車を作るにも、基礎的部品としてベアリングの存在が欠かせず、その精度(ベアリングの多くは金属球である)は工業的に重要な意味を持つ。なお、余談ではあるが日本のベアリング産業は世界的なものであり輸出シェアも高い。

 さて、今回の独楽には、ヨーヨーの世界大会で用いられるヨーヨーに使われるのと同じ精密なベアリングが用いられた。分類としては「投げ独楽」と呼ばれるタイプのもので、ウェイトリングありのモデルで8分間回り続ける。

 同社の似た製品としては、2018年に即日完売を達成したハンドスピナー(販売名サターンスピナー)に続くものであり、科学の不思議を伝えるイノベーションを実現するものであるという。

 なお、一般的な独楽は、通常の凹凸のある面においては2、3分の回転が限界だと言われている。先端に摩擦が生じ、全体の回転を止めるからである。この独楽は軸と本体が別々に回転するため、摩擦が本体に伝わる度合いが極めて低く、長時間、例えば手の上などでも回すことができるのである。