道に迷った者だけが本当の近道を見つける

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偉大な業績を築いたリーダーたちが歩んだ道は、決して平坦ではありませんでした。どちらかと言えば、道に迷い、悩み苦しみ、回り道を繰り返しながら、それでも決して諦めることをせず、成功への道を見出したケースがほとんどです。言い換えれば、諦めの悪さこそが成功の条件と言えるかもしれません。

ウォルマート創業者の場合

ウォルマート・ストアーズ創業者のサム・ウォルトンは、27歳で開業した店舗の賃貸借契約で致命的な失敗をしましたが、決して諦めることなく、小売業経営のすべてを先進企業の優れた取り組みから学び自らの原則に作り変え、田舎商売による「家計シェア」という原則を見つけました。

トヨタ生産方式も失敗から生まれた

トヨタ自動車を創業した豊田喜一郎は、好況を追い風に安易に雇用した従業員を、不況に転じた途端に解雇せざるを得なくなった失敗を経験しています。このことから、人の潜在能力を極限まで引き出すことが「人間を尊重する原則」であることに気づき、「適時・適品・適量」「カイゼン」という人のもつ可能性を信頼するトヨタ生産方式に結びついたのです。

ジョブズも失敗からアップルを育てた

かのスティーブ・ジョブズは、1976年自宅で起業したアップル・コンピュータを、シリコンバレーを代表する企業にまで育てるというサクセスストーリーを築きながら、わずか5年後、新製品の販売予測ミスによる過剰在庫が原因で、愛する会社から追放されました。その後、CGアニメの制作、新OS開発などの経験を踏まえ、アップルに復帰を果たし、製品に関わるすべての責任を持ちながら工場と在庫を持たない企業に作り変えました。

「急がば回れ」にはあらず

間違わないでほしいのは、偉人たちの足跡になぞらえて、手加減を加えるような遠回りを勧めているわけではないということです。道に迷い、回り道に惑い悩み、失敗にあえいだことで、「物事の本質」に気づき、そこから導き出した原則が、「ロマン」への近道につながるのです。

参考書籍:大西肇著「『今はまだ小さな会社』が進化するための101の手がかり」(合同フォレスト刊)

「今はまだ小さな会社」が進化するための101の手がかり posted with ヨメレバ 大西 肇 合同フォレスト 2017-12-10