1月12日(金)公開の映画「伊藤くん A to E」で共演した岡田将生&木村文乃/撮影=大石隼土

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岡田将生、木村文乃がW主演する映画「伊藤くん A to E」がついに公開間近。超モンスター級“痛男”の伊藤誠二郎と、彼に翻弄(ほんろう)される4人の女性たち、そして彼女たちの恋愛相談を脚本のネタに使おうとしている崖っぷち“毒女”・矢崎莉桜の姿を通し、女性たちの本音を赤裸々に描いた恋愛ミステリーだ。そのリレー連載の最終回は、伊藤役の岡田と莉桜を演じた木村にインタビュー。これが初共演となる二人が映画の裏話や見どころを語ってくれた。

【写真を見る】岡田将生が「目の奥が全く笑ってなかった(笑)」という木村文乃/(c)「伊藤くん A to E」製作委員会

■ 木村(文乃)さんは目の奥が全く笑ってなかったです(笑)(岡田)

――互いが演じられた役の印象を教えてください

岡田:先にドラマの放送があり、僕は遅れての参加だったので、僕が現場に入ったときには、皆さんのキャラクターがすでにでき上がっている状態でした。木村さんが演じた莉桜もドラマを見ていたので、相当怖いんだろうなと思っていました。実際、一緒にやらせていただいても、目の奥が全く笑ってなかったです(笑)。

木村:岡田さん演じる伊藤くんも、想像以上に気持ち悪かったです(笑)。一緒に撮影した最初のシーンが、莉桜が閉じようとするドアを押しのけて入ってくるシーンだったんですけど、岡田さんにはクリーンで繊細なイメージがあったから、こんなに攻めてくるんだと驚きました。でも、伊藤くんは何を考えているのかよく分からないキャラクターですし、それを岡田さんがやるから逆にゾッとする瞬間が何度もありました。現場でもシーンを撮り終えるごとに、悲鳴があがっていました(笑)。

岡田:毎回、カットがかかるたびに気持ち悪いと言われて。たとえそれがほめ言葉だとしても、そのときは精神的につらかったですね(笑)。

――最初は人の不幸を利用してまでも脚本家として返り咲こうとしていた莉桜ですが、いつの間にか彼女も伊藤によって追いつめられていきます。クライマックスには二人が対峙するシーンもありますが、演じていて印象的だったことはありますか?

岡田:伊藤も莉桜も腹に一物を抱えているから、その探り合いが面白いなと思いました。二人とも顔には出さないけど、腹の中では全然違うことを考えていたりするんですよね。あと、監督から言われて「なるほど!」と思ったのは、伊藤と莉桜の関係性が姉と弟に近いということ。最初は意外に感じましたが、やっていくうちに納得できたし、そこからはお姉ちゃんに甘えるような感じを意識していました。

木村:私も姉と弟のような関係性というのは意識してましたが、そのあんばいが難しかったです。莉桜自身が純粋なのを隠して悪女ぶっているし、いい人になりきれないダメ人間なので、伊藤くんに引っ張られそうになるんですよね。でも、岡田さんがわかりやすくお芝居をしてきてくださるので、莉桜としては反応がしやすかったです。

■ そんな逃げ方もあるのかと驚きました(岡田)

――伊藤くんのような“自分が傷つくことを徹底的に回避する”生き方をどう思いますか?

岡田:僕は伊藤の「戦わない。だからリングになんて上がらない」というセリフに、そんな逃げ方もあるのかと驚きました。自分としては、なるべくそこで立っていられるように頑張ろうと思って生きてきたけど、無理してリングに上がらなくていいんだと。何だか伊藤から新しい考え方をもらった気がしました。

木村:私も「確かにな…」とは思いました。それはそれで一つの意見だし、それで伊藤くんは楽しく生きられているんだから、それ以上に何があるのかなと。とても現代的で、今に合っている言い方だと思います。でも、そんな伊藤くんの生き方に魅力を感じないし、面倒なので、あまり近寄りたくはないですね(笑)。

――この映画には莉桜を含め5人の女性たちが登場しますが、伊藤くんほどではないにしろ、みんなダメな人間ばかりですね。

岡田:そうなんです! 僕の役だけがクズだと思われてますけど、女性陣もほぼクズなんですよ。みんな社会に適合できていない人ばかりで。でも、クズとクズが話し合う感じが逆に面白いなと思っています。たぶん男性がこの映画を見たら、女性たちのクズな一面に衝撃を受けると思うし、女性が見たら「伊藤、最低!」と思われると思いますが、登場人物全員がクズというのもこの映画の魅力だと思います。

木村:それに全員が真剣なんですよね。その真剣さが滑稽で、逆に面白いと思います。全員がどこか抜けているし、真剣過ぎて笑うしかない、という感じも好きですね。

■ 初めて伊藤くんに人間ぽさが見えたシーンがお気に入り(木村)

――お二人のお気に入りのシーンを教えてください。

岡田:僕が完成した映画を見て思ったのは、莉桜さんの表情がどんどん変わっていくのがいいなと思いました。最初は“毒女”だったけど、最後にはつきものがとれたような顔になっていて、心から応援したくなりました。だから、自分で演じているのに、伊藤に対して「こいつ、本当に邪魔だな」と思いました(笑)。とはいえ、莉桜を含め、女性たちは伊藤がいたから成長できたという側面もあるんですけどね。

木村:私は伊藤くんが池田エライザさん演じる聡子に電話でボロカスに言われ、ちょっと傷ついているようなシーン。それまでの伊藤くんは「俺の何がいけないの」とひょうひょうとしていたけど、あそこで初めて人間ぽさが見えた気がして。あのシーンがあるからこそ、伊藤くんがただのモンスターではないことが分かると思うので、個人的に好きなシーンですね。

岡田:この映画は、人によって共感ポイントが180度違うと思うし、一回見ただけでは分からない部分もあるかもしれません。人間ドラマもあれば、コメディーやミステリーの要素もあって、いろんな角度から楽しんでいただける映画に仕上がったと思います。(ザテレビジョン)