昔と違って成人式や結婚式などでしか着なくなった着物は、葬儀などと同じく「セレモニービジネス」となった。それゆえ、消費者は適正価格や品質を見抜く目を持っておらず、業界のボッタクリ体質が横行してきた経緯がある

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成人式当日に逃げて新成人たちをパニックに陥れた「はれのひ」。しかし、着物業界の構造や、ボッタクリ体質を考えれば、「はれのひ」のような悪質業者が生まれたことに何の不思議もない。(ノンフィクションライター 窪田順生)

成人式当日に音信不通
「はれのひ」は計画倒産か

 着物の着付けやレンタル・販売を手がける業者「はれのひ」が成人式当日、契約者になんの説明もなく連絡が取れなくなったことが大きなニュースとなった。

 2008年に創業した「はれのひ」は、ホームページ(現在は閉鎖)で、「全国100店舗展開」「上場を視野に入れて事業を拡大させていきます」などと景気のいいビジョンを掲げていた。少子化と着物離れが進行して市場がシュリンクしている中で、あまりにも見通しが甘すぎると、同業者も怪しく思っていたという。

 東京商工リサーチによると、一昨年時点で既に3億超の債務超過に陥っており、かなり前から取引先や従業員への未払いが問題化していたことから、「詐欺」や「計画倒産」を疑う声も出てきている。

 一生に一度の晴れ舞台を楽しみにしているお嬢さんたちの思いを踏みにじるなんて、年の始めからなんとも気分の悪い話だと憤る方も多いだろうが、個人的には今後、この手のトラブルは、さらに増えていくのではないかと心配している。

 今回、被害に遭われた方たちの悲痛な叫びを聞けばわかるように、もはや「着物」はアパレルビジネスではなく、完全に「冠婚葬祭」と同じ、セレモニービジネスとなっているからだ。

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