「天下一品」のラーメン

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 鶏ガラベースのこってりラーメンで知られる「天下一品」。昨年11月28日現在、国内に243店舗、ハワイ・ホノルルに1店舗を構えており、日本で最も有名なラーメンチェーン店のひとつだろう。

 とりわけ、毎年10月に開催される「天下一品祭り」の存在は、ラーメン好きの間ではすっかり定着しているのではないだろうか。“10月1日=天一の日”は、店舗でラーメンを注文するとラーメン(並)の1杯無料券を入手でき、筆者もここ数年は欠かさず足を運んでいる。

 そんな天下一品だが、実は店舗ごとにメニュー構成やサービス内容が違う。直営店とフランチャイズ店に分かれている関係だと思われるが、たとえば宮城県では株式会社こむらさきが仙台エリアの3店舗を管轄しており、他店舗では提供されていない「土鍋チーズラーメン」が食べられる。また、広島県にはゆで卵を無料サービスしている店舗も多いようだ。

 まるでポタージュのような濃厚スープは全店共通だが、その店舗ならではの個性を求め、全国の天下一品を巡ってみるのも一興なのだろう。

 筆者は今回、中部や関西エリアの一部店舗で、ラーメンと同時に総菜バイキングが無料で楽しめるとの情報をキャッチ。筆者は関東在住なのだが、このたび関西に出向く機会があったため、京都府の竹田店(京都市伏見区)を訪ねてみることにした。

●総菜バイキングのほか、メニューにもフランチャイズ店独自の工夫が

 京都駅から地下鉄烏丸線に乗り、くいな橋駅で下車。雨空の下、1番出口を抜けて府道201号線沿いを歩くと、4分ほどで店に到着した。18台分もの駐車スペースが用意されており、広々とした外観である。筆者にとっての天下一品は東京の新宿や渋谷など、繁華街の一角に出店しているイメージが強く、やや新鮮な心持ちで玄関をくぐった。

 土曜の昼だったとはいえ、開店から間もない時刻だったためか客足はまばら。9脚のイスが並ぶカウンター席の先客はわずか1名で、テーブル席も空きが目立つ状態。筆者は単身だったので、カウンター席の端に案内される。このとき、本日のお目当てである総菜バイキングコーナーが、通路を挟んだ壁際に設置されているのを確認できた。

 着席し、お冷のコップを傾けながらメニューに目を通すと、やはり「こってり」ラーメンの写真が一際大きく配置されている。他にも「あっさり」や「屋台の味(こってりとあっさりの中間)」など、第二の定番と呼べそうなラーメンが名を連ねている中、「ピリ辛」という見慣れないメニューに目が留まった。

 メニュー名の横には「大塚グループオリジナル」と書かれており、あとから調べたところによると、この竹田店は大阪府にある株式会社大塚フーズが運営しているとのこと。同社の公式サイトには、総菜バイキングがある天下一品として筆者がほかにも行き先候補に挙げていた、四條畷店(大阪府四條畷市)なども紹介されていた。ピリ辛ラーメンも総菜バイキングも、大塚グループが独自に提供しているものととらえてよさそうだ。

●東京では有料だったコーン&ねぎも、竹田店ではトッピングし放題!

 通常のこってりラーメンは何度も食べた経験があるため、この日はピリ辛ラーメンの並(税込896円、以下金額はすべて税込表記)を注文。オーダーを取ってくれた店員から「後ろにお総菜ございます、ご自由にお取りください」とアナウンスされ、早速コーナーへと席を立つ。

 コーナーには「当店自慢のサービスカウンター」「ラーメン1杯ご注文のお客様に手作りのおそうざいが無料!」という掲示があり、食べ回し・食べ残しが見られた際は別料金(1皿162円)が発生するとの注意書きも。なお、これらの総菜は100グラム162円で持ち帰りも可能だそうだ。

 さて、この日の総菜はキャベツ、コーン、ねぎ、オクラ、漬物、もやしナムル、ニラにんにく、辛子にんにく、紅しょうが、寒天フルーツといったラインナップ。取り皿が積まれた棚にはガーリックチップ、ごま、ごましおも置かれていた。ラーメンの薬味に使えるもの、ライスのお供にぴったりなもの、食後のデザートになるもの、と幅広いニーズにこたえてくれている印象である。

 取り皿を複数使い、気になった総菜を一通り自分の席へと運んだ筆者。ほどなくしてピリ辛ラーメンが配膳されてきたので、まずは総菜のコーンとねぎを、ラーメンの器に移し替えてみた。

 というのも、筆者が以前利用した東京都某店舗の場合、コーンは100円、ねぎは120円の有料トッピングだったのだ。ラーメン自体は竹田店のほうが若干高めの値段設定だが、これらの具材を無料かつ好きなだけトッピングできる時点で、すでにお得感があるといえる。

 不思議と勢いづいてしまい、コーンとねぎ以外の総菜も、結局はすべてラーメンの上にのせることに。盛りつけはあまり美しくないが、オリジナルの“具だくさんピリ辛ラーメン”の完成である。

●食後の口直しまで無料の総菜でまかなえる素晴らしさと、申し訳なさ

 いざ実食してみると、辛いものが決して得意ではなく、ただの興味本位で注文した筆者にとって、ピリ辛ラーメンは刺激が強かった。そこにもやしナムル&ニラにんにくという、余計に辛みをプラスする総菜を交ぜてしまったものだから、なかなか箸が進まない。もっとコーンを投入すれば少しは甘くなるだろうか、とサービスカウンターで追加調達するも、焼け石に水だった感がある。

 その一方、これはトッピングして正解だったと強く思えた総菜はオクラだ。独特なとろみのある天下一品のスープに、粘り気のあるオクラが組み合わさると、それだけで食感がおもしろい。

 そうして筆者がピリ辛ラーメンを味わっている間にも、店内には続々と客が増えていた。横目で観察していると、オーダーを終えると店員に促されるよりも早くサービスカウンターへ向かう客もおり、こちらの店舗では総菜バイキングが当たり前のように定着していることがわかる。

 ピリ辛ラーメンをスープまでなんとか完食した筆者は、デザートでお口直しをすることに。いただくのはもちろん、サービスカウンターからセルフで取ってきた寒天フルーツだ。食事のラストを飾るにはふさわしい絶妙な甘みであった。

 1000円足らずの会計を済ませ退店。この満足感から考えれば、かなりコストパフォーマンスはいい。また大塚グループの運営する天下一品に来ることがあれば、ラーメンと一緒にライスを注文し、総菜バイキングを活用したオリジナル丼づくりにもトライしたいものである。
(文=A4studio)