photo by Mike Mozart via flickr(CC BY 2.0)

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 2017年11月10日、アクティビスト・ヘッジファンド「ジャナ・パートナーズ」が、アウトバック・ステーキハウスやその他のレストランを運営すブルーミン・ブランズの株式を8.7%保有して、第2位の外部の株主となったというニュースが流れ、ブルーミン・ブランズの株価が11%上昇した。

 ブルーミン・ブランズは、米国のレストラン運営会社であり、約9万7000人の従業員を擁し、米国48州、プエルトリコ、グアム他21か国で、カジュアルレストランや高級レストランを運営しており、2012年8月8日にIPOを行っている。

 同社が擁するブランドは、「アウトバック・ステーキハウス」、「カラッバズ・イタリアン・グリル」、「ボーンフィッシュ・グリル」、「フレミングズ・プライム・ステーキハウス・アンド・ワインバー」などだが、アウトバック・ステーキハウスは日本にも店舗があるのでご存知の人も多いだろう。

 1988年3月に退役軍人であった4人の友人が、自分のレストランをオープンする夢を実現すべく、フロリダ州タンパでオープンした「アウトバック・ステーキハウスレストラン」は、2000年4月に日本1号店がオープンし、首都圏を中心に品川、渋谷、六本木、池袋、名古屋、大阪に進出している。現在、9店舗があり、オーストラリアをテーマとした店内で、本場のステーキだけでなく、ボリュームのある料理の数々が提供されている。特徴あるメニューとして、名物「ブルーミン オニオン」がある。丸ごとタマネギのフライである。

◆アクティビスト・ヘッジファンドのジャナ・パートナーズ

 バリー・ローゼンスタイン氏が率いる米ヘッジファンド「ジャナ・パートナーズ」は、2001年に1700万ドルの資金で設立された。同社は「物言う株主」(アクティビスト)として知られており、単に株式保有するだけではなく、経営陣に対して経営改善を積極的に促し株価上昇を狙い、また、経営陣に会社の身売りを促す提案を行うことがある。

 彼らの投資手法は、イベント・ドリブン型の投資戦略と呼ばれるものだ。イベント・ドリブン型の投資戦略とは、M&A(合併・買収)や業務提携、あるいは業績の修正や規制緩和など起業業績に大きな影響が予想される重要な出来事(イベント)によって生じる株価の変動を収益機会と捉えて投資する手法のことで、ヘッジファンドの投資戦略として知られている。

 ロイターの報道によれば、ジャナ・パートナーズはブルーミン・ブランズに対して、4つの主要ブランド事業のうちの一つのブランド事業の売却を含む事業戦略について、話し合いたいと提案したという。(参照:ロイター)

 ジャナ・パートナーズ の最近のニュースは、レストラン、スーパー、食品などに関連するものが多いように、筆者は感じる。

 例えば、ブルーミン・ブランズとジャナ・パートナーズ社が同時期にが新たに組み入れた11銘柄のひとつに「ジャック・イン・ボックス・インク」がある。ジャック・イン・ボックス・インクもレストラン業であり、ファーストフード・チェーン店である。

 また、ジャナ・パートナーズは、以前、アマゾンの傘下となる前のオーガニック食料品チェーンのホールフーズの株式を8%取得して、アクティビストとして、ホールフーズに対して経営陣を刷新し、買い手を探すよう圧力をかけていたことがある。(参照:ロイター)

 この時、ジャナ・パートナーズは、Amazon.comがホールフーズを買収したことによって株価が上がったため、彼らの戦略は成功を収めている。

◆なぜ彼らはこうした銘柄に注目しているのか?

 2017年9月30日時点のジャナ・パートナーズのポートフォリオを見ると、セクター別構成比の1位が“Consumer Cyclicals”(28.56%)となっている。

 “Consumer Cyclicals”は「景気連動型消費財」と訳されるが、消費財の内、“Consumer(non-cyclical)”(=「生活必需品」:洗剤、髭剃り、掃除関連など)を除いたものであると考えるとわかりやすい。自動車や住宅、娯楽や小売業が含まれる。食料品はこのカテゴリの内、非耐久消費財に分類される。

 2008年の金融危機からおよそ10年間経済成長が続いてきたが、米国では消費も上向いている。「景気連動型消費財」の企業の業績や株価は、金融危機の時と比較して、良くなっているはずだ。しかし、「景気連動型消費財」に関連する企業は、アクティビスト・ヘッジファンドのジャナ・パートナーズから見て、まだまだ、改善の余地があると評価される企業が多いのであろう。したがって、「景気連動型消費財」に関連する企業は、M&A(企業買収)の対象となる機会や脅威があるだろうし、また、株価も割安な位置に放置されている銘柄があるかもしれない。

<文/丹羽唯一朗>