2010年11月、広州アジア大会に出場した鈴木康大選手(提供・共同通信社)

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 1996年にドーピング検査で陽性反応が出たことから2年間の資格停止処分を受けた元陸上100メートル日本代表の伊藤喜剛さんが10日、TBS系「ビビット」で、当時の思いと、カヌーでライバルへ故意に禁止薬物を飲ませた鈴木康大への思いを語った。

 伊藤さんはアトランタ五輪の96年に米国合宿中に抜き打ちのドーピング検査を受け、まさかの陽性反応が出た。尿検査だったというが、伊藤さんは「その時に禁止薬物が出たんだよって聞いても、僕は何も飲んでない。でも(陽性反応が)出ちゃったからと。もう崖から突き落とされた感じだった」と、身に覚えがないにも関わらず、陽性反応が出たことにあ然。

 すぐに国内で会見を行ったが「納得いっていない。故意に飲んだものじゃない。私が知らないところでこうなった」と無実を主張していたが、結果2年間の資格停止となった。

 禁止薬物摂取の覚えは全く無かったというが「(当時、米国合宿は)6、7人で共同生活していて。冷蔵庫に飲み物を置きっぱなしだったり、カウンターにそのまま置いたり」と、誰でも飲み物に何かを混入させることは可能だった環境だったと振り返り「でも、今思うと、それも自分の責任」と語った。

 伊藤さんは98年の国際大会で復帰し、日本人トップでゴールし、日本代表に返り咲いたが「今でも考えると悔しいし、悔しいしかない」と唇をかむほどの思いを経験した。それだけに、今回、カヌーで同じような事件が勃発したことに複雑な表情。

 禁止薬物を混入させたり、パドルなどを盗んだことも告白している鈴木に対しては「そこまでして蹴落とさないとダメだったのか?日本の宝の選手を殺すことになるかもしれないじゃないですか」と、才能ある選手を“抹殺”した可能性もあったことに苦言。被害者の小松に関しては「やられたことの悔しさを励みに、もっともっと成長できると思う」とエールを送っていた。