私が中国語通訳案内士としてデビューしたのは2005年のこと。悪戦苦闘の末に得たライセンスを手に、華々しくデビューかと思いきや、そこで目にしたのは治外法権の数々。写真は築地。

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私が中国語通訳案内士としてデビューしたのは2005年のこと。悪戦苦闘の末に得たライセンスを手に、華々しくデビューかと思いきや、そこで目にしたのは治外法権の数々。旅行業界は無法地帯。日本は法治国家ではないのか?旅行会社や家電量販店、免税店が不法就労助長してます。

まず、外国人が日本で働くということにさまざまな制限があるというのに、それを一切守っていない旅行会社の数々。もちろん日本の旅行会社も例外ではありません。

日本で生活する外国人が働く場合、日本人の配偶者、永住者、定住者等を除くと、働ける在留資格は査証の種類による制限があります。例えば経営・管理、技術・人文知識・国際業務の在留資格の人間が副業としてガイド業務をしてはいけません。通訳案内士の資格はありますか?業務の延長上観光地を案内する位は良いと思いますが。一度入国管理局からの依頼で通訳を引き受けた時、大学卒業後日本での就活に失敗した外国人がペーパーカンパニーに登録して人文知識の在留資格を得て居酒屋で働いていましたよ。

研修生、日本での劣悪な環境に嫌気がさしてたくさんの外国人が逃亡していますが、彼等は逃亡した瞬間から不法残留、つまりはオーバーステイです。偽物の在留カードを購入して引き続きひっそりと働いています。留学生、今日本にはさまざまな国の方が日本に留学していますが、彼等は資格外活動の許可を得て、通常学業に差し障りの無い程度、1週間に28時間しか働けません。夏休みや冬休み、春休みの期間は1日8時間までの勤務が可能です。あと、家族滞在の資格でも、資格外活動の許可を受けて1週間に28時間勤務をしている人はたくさんいるのかな?実際は時間を超過して働いているケースが大多数でしょう。

ワーキングホリデーを利用して働く外国人も増えました。今年の4月から通訳案内士は名称独占となり、その存在は継続されるものの、観光庁はグッドウィルだのボランティアだの留学生だのにも通訳ガイドの仕事を解禁する方向ですが、ちょっと待ってくれ。

外国人には在留資格という壁があります。猫も杓子もガイド業務に従事すると言ったって、留学生は週28時間しか働けませんよ。ツアー1本5日間の仕事、拘束時間は1日8時間で終了することはまずありませんから、単純に計算しても週28時間の制限は軽く超えます。まあ土産物店等で1日4時間程度のアルバイトなら大丈夫ですが、それ以上働かせたら不法就労助長罪です。その他の在留資格の外国人がガイドをしても、日本人の配偶者、永住者、定住者を除くと旅行会社は不法就労助長罪です。

問題は、添乗員や白タクによるガイド業務。外国から添乗で来る外国人のほとんどが短期滞在です。悪質なケースは日本での短期滞在の有効期間中、日本に滞在、車内販売や指定の悪質免税店からのキックバックで荒稼ぎして本国に帰国、当然ながら確定申告なんかしていませんから、所得税丸々持って行かれています。

白タクの存在はニュースになっていますから、皆さんもご存知かと思いますが、中国からの個人旅行が増えてきた今、日本全国各地を暗躍しています。タクシーとして利用されているのは自家用車やレンタカー。皇包車というアプリがあり、お客さんとドライバーはここで接点を持ち、応札したドライバーが業務を請け負っていますが、料金の決済は人民元だったりしています。日本にはお金が落ちません。

皇包車がすごいのは日本国内だけではなく、世界各地でこうした現地ドライバーを確保していること。さすがIT大国中国!と感心している場合じゃないのですが、彼等の存在で我々通訳案内士だけでなく、タクシー、リムジンバス、はとバス、各公共交通機関が本来得るべき対価を得られておりません。バス会社もドライバーも悲鳴をあげています。そもそも個人でタクシー業務を行うには、タクシー会社に勤務して二種免許を取得、さらに10年程度の経験を重ねて初めて個人タクシーの業務に従事できるはず。おいおい、中国人観光客の皆さん、白タク便利かも知れないけど、事故が起きたらどうしますか?海外旅行保険に入らないで来日する観光客が圧倒多数です。