【短評】4気筒になったポルシェ「718 ケイマン S」に米国版Autoblog編集部員たちが試乗「運転しても眺めても楽しい」

【ギャラリー】2017 Porsche 718 Cayman S14


ポルシェは2016年、ミドシップ・クーペ「ケイマン」に数多くのアップデートを施した。スタイリングの変更や、車名に過去の名車から引用した「718」の文字が追加されると同時に、素晴らしい自然吸気水平対向6気筒"フラット・シックス"エンジンに替わって、強力なトルクを生み出すターボチャージャー付き水平対向4気筒が搭載された。サウンドはお気に召さないかもしれないが、パフォーマンスに関しては反論することは難しいだろう。3.4リッター6気筒を積む従来の「ケイマン S」が最高出力325ps、最大トルク370Nmであるのに対し、現行の「718 ケイマン S」は2.5リッター4気筒ターボが最高出力350ps、最大トルク420Nmを発揮。PDK仕様同士で比較すると、0-100km/h加速は4.9秒から4.4秒に短縮されている。だが、それはメーカーの公称値だ。ポルシェはその性能を過小評価することで知られている。
我々が試乗したクルマには、さらに速く走るための数々の装備が搭載されていた。車高が20mm低くなり固められたスプリングと電子制御ダンパーを組み合わせたポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメント(PASM)のスポーツ・サスペンションをはじめ、「スポーツクロノパッケージ」、トルクベクトリング、小径の「GTスポーツステアリングホイール」も装着。フル電動調節式シートやキーレス・エントリー/イグニッションは付いていなかったが、パフォーマンスには関係ない。


Greg Migliore 編集主任
718 ケイマン Sはとても魅力的なマシンだ。ミドエンジンのレイアウトと滑らかな6速マニュアル・トランスミッションのお陰で、ドライバーは自分の世界に没入でき、周囲の世界をシャットアウトしてしまう感覚が味わえる。今回試乗した1台は、サファイア・ブルーのペイントと、細いスポークの洒落たホイールによって一層シャープに見える。個人的には「911」よりプロポーションが良く、滑らかなデザインも優れていると思う。曲線美を感じさせると同時に引き締まって見える。私が気に入らないのは、8万2,000ドル(約930万円)を超える価格のクルマにしては安っぽく見えるプラスチック製のベントと、その価格に対して平凡すぎるインテリアだけだ。それから4気筒ターボ・エンジンのサウンドは普段は素晴らしいが、時々ほんの少し喧しくなることがある。ギアを1速や2速に入れてスロットルを踏み込んだ時に放つ咆哮は大好きだ。


ポルシェが718というネーミングを復活させたことはとても好ましく思う。ポルシェ・ファンならその数字が何を意味するか分かっているし、ファンでないとしてもクールな響きを感じることだろう。ポルシェは、若干リーズナブルな価格のミドエンジン・スポーツカーという、この隙間市場を独占してきた。同社は、顧客のことをよく知っており、718 ケイマンを見れば分かるように、彼らが望むものを提供している。

「今日、ポルシェ 718ケイマンで素晴らしい動画を撮影できた。パーフェクトな秋空に、パーフェクトなクルマ」

Christopher McGraw シニア・プロデューサー
私は、もしポルシェがそうしようと思えばケイマンは911より優れたクルマになれると考える側の1人だ。しかし、現時点ではそこまで達していない。もちろん、外観は素晴らしいし、個人的には911より美しいと思う。ハンドリングも優れている。しかし、6気筒エンジンが恋しく思えてしまうのだ。

おそらく私がアウディ「R8」に乗ったばかりだからだろうが、サウンドに関しては物足りなさを感じる。また、8万ドル(約910万円)という価格帯も受け入れがたい。ちなみに911のベース・モデルは約9万1,000ドル(約1,037万円)で買える。僅かな金額の差で2気筒が追加され、パワーも20ps高くなるのだ。

そうは言っても、718 ケイマン Sは実にバランスの良いクルマで、完璧とは言えないまでも、運転するのは非常に楽しい。


Reese Counts 共同編集者
ケイマンを運転したのはこれが初めてだが、今まで見聞きした情報のほとんどは同車を絶賛するものだったので、期待はかなり高かった。運転席に座っていたのは短い間だったものの、降りる頃には大いに感銘を受けていた。称賛の言葉は全て正しかったようだ。このクルマに対する筆者の思いを込めた動画をご覧いただきたい。

Thursday thoughts with the 2017 Porsche 718 Cayman S: http://bit.ly/2x8Ombr

Posted by Autoblog on Thursday, October 19, 2017


Greg Rasa 編集局長
これはポルシェの伝統に則ったクルマだ。つまり、軽くて、敏捷で、速いクルマだが、過度にパワフルではない。最近ではポルシェは高級ブランドと見なされており、支払わなければならない金額を思えば論理的な帰結だろう。しかし、昔のポルシェは決して豪華なクルマではなかった。本当に、素っ気ないクルマだったのだ。目的はただ1つ、快適性ではなく、運転することだけを追求した道具だった。

ケイマンのエキゾースト・ノートは往年の911を思い出させるもので、その騒々しさはフォルクスワーゲンのDNAを思わせる。インテリアは8万ドルに相当する高級感はなく、ロードノイズも大きめで、乗り降りするにも少々不便だ。しかし、乗り込んで運転席に座ってしまえばマシンと一体化できる。ドライバーとシフトレバーやスロットル、シャープなステアリングなどが全て調和するのだ。


目的地に到着した後は、ケイマンを改めて眺める楽しみがある。ガレージに駐めて、家屋へ歩いて行くまでの間にちらりと振り返って見たくなるクルマだ。あるいは、もう一度クルマの方へ歩いて戻り、うっとりと眺めるのもいいだろう。見ているだけでも、運転するのと同じくらいに楽しい。もし1台購入しようと思っているなら、ボディ・カラーは是非ブルーをお薦めしたい。

エンジン:2.5リッター水平対向4気筒ターボ
最高出力:350ps
最大トルク:420Nm
トランスミッション:6速マニュアル
0-100km/h加速:4.6秒
最高速度:285km/h
エンジン搭載位置:ミドシップ
駆動方式:後輪駆動
価格:6万7,350ドル(約760万円)から
試乗車価格:8万2,290ドル(約930万円)
日本仕様消費税込み価格:849万円

By AUTOBLOG STAFF
翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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