J.Score 代表取締役社長CEO 大森隆一郎

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個人向けのお金の貸し付け業務は「人間」から「AI(人工知能)」へ向かうのか。「J.Score」は消費者金融ローン、銀行のカードローンに次ぐ、第3の個人向け融資サービスを提供している。AIを技術を活用した新しい「信用力審査」の仕組みについて、大森隆一郎社長に聞いた――。

■AIがローンの利用可能額と貸付利率を決定する

――みずほ銀行とソフトバンクの共同出資により設立されたJ.Scoreは2017年9月25日、ビッグデータとAI技術を活用した、新しい個人向けレンディングサービスの提供を開始した。

【大森】「AIスコア・レンディング」は、消費者金融ローン、銀行のカードローンに次ぐ、第3の個人向け融資サービスといえます。特徴は、利用可能額と貸付利率を決める「信用力」の判断を、お客様による入力情報と連携するビッグデータをもとに、当社独自のAI(人工知能)が行っている点です。AIが算出した結果はスコアとしてお客様に開示し審査の透明性を高めており、点数が高いほど利用可能額は大きく、貸付利率は低くなります。ポイントは、お客様自らが入力する情報が多ければ多いほど、基本的にスコアが高まる仕組みになっている点です。AIを活用したレンディングは、米国では多数のベンチャー企業がサービスをリリースしている一方、「借り入れはよくない」という意識がまだ根強い日本において、全く新しいブランドをつくろうと強く意識しました。

――連携するデータとは?

【大森】特徴的なものとして、みずほ銀行が持つ金融の情報と、ソフトバンクが持つ通信の情報が挙げられます。お客様の同意に基づき、これらの情報と連携することで、例えば給与振り込みやクレジットカード引き落とし、各種お支払いのメーン口座としてみずほ銀行の口座を使われている方であれば、家計の健全性や返済能力を判断する際に好材料として評価することができます。またソフトバンクに遅滞なく支払いされてきた方の評価も高まります。

――カードローンとの違いは?

【大森】多くの銀行のカードローンは保証会社の保証を受けていることが条件となっているケースが多いと思いますが、当社は審査、督促、回収まですべて自社で行っています。また、貸付利率(年率)は、0.9〜12.0%に設定しており、当社の特徴的な商品性と考えています。これまでブラックボックスだった審査結果を、スコアという具体的な数値でお客様に提示することで透明化していますので、お客様はより多くの情報を入力することで、ご自身で借り入れ条件をよくしていけます。

■なぜ低い金利で貸すことができるのか?

――なぜ低い金利が実現できるのか?

【大森】AIによって精度の高い審査を行える点に尽きます。金融機関にとって、お客様がデフォルト(自己破産や音信不通などによる債務不履行)してしまうと、回収のための督促等に労力がかかることが、大きな負担となります。これが全体コストとして、お客様の金利に上乗せされるのです。きちんと返済できる方に、無理のない範囲でお借り入れいただければ、金利は低く抑えることができます。今後、AIが学習し、審査の精度をさらに高めていくことで、より低い金利でのサービス提供ができるようになるかもしれません。また、スマホやパソコンで手続きが完了できるため、店舗をもたず人件費も抑えることができる低コスト体質である点も大きいと考えます。

――ターゲットは?

【大森】特に夢を追い求める若い方にご利用いただきたいと考えています。遊興費や差し迫った生活費としての利用ではなく、資格取得や留学など、自分の夢を実現するために前向きな借り入れをしていただきたい。スコアには、お客様の将来的な年収の推計が盛り込まれています。つまり、将来のキャリアを高めようとされる方の自己投資に対しては期待値が加わり、より有利な借り入れ条件を提供できるのです。

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J.Score 代表取締役社長CEO 大森隆一郎(おおもり・りゅういちろう)
1986年、大阪大学法学部卒業後、旧富士銀行入行。個人部門を長く務めた後、2015年、みずほ銀行執行役員ローン業務開発部長等を経て、16年11月より現職。レンディングビジネスを通じて、全く新しいFinTechブランドの構築と、従来の個人ローンのイメージ変革を目指す。
 

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(J.Score 代表取締役社長CEO 大森 隆一郎 構成=嶺 竜一 撮影=向井 渉)